ジーンズを愛用する人にありがちな悩みとして、洗濯後の天日干しに時間がかかることが挙げられます。ジーンズは頑丈で厚手の生地が使われていますが、その一方で熱に弱く縮みやすい欠点もあります。誤った方法で乾かすとお気に入りのジーンズが台無しになってしまう可能性が否定できません。綺麗な状態に仕上げるためにも、ジーンズを上手に乾かす方法を学びましょう。
目次
デニム生地は熱に弱く縮みやすい特徴がある
#ジーンズは急激な乾燥に弱い
ジーンズは19世紀のアメリカで誕生した作業用ズボンです。ジーンズに用いられるデニム生地は元々、馬車の幌として使われていました。非常に頑丈で破れにくいことから作業用ズボンの材料に最適だったのです。現在ではカジュアルウェアの一種として年齢や性別を問わず広く普及しています。
固く厚手なデニム生地を使ったジーンズはどんな環境でも劣化しないイメージがありますが、実際は水濡れで生地が縮んでしまう性質があります。ジーンズを水洗いしてはいけないという俗説はこの性質から生じたものですが、縮む度合いはわずかなので外観を損なうほどではありません。その一方で急激な乾燥には弱く、一目でわかるほどに縮んでしまうこともあります。
#家庭用の乾燥機を使うと大幅に縮むことがある
デニム生地は熱によって大きく縮みます。生地の素材である綿糸が熱に弱いのが理由ですが、伸縮性を持たせるデニム生地の織り方も綿糸の縮みやすさを促進させているので注意が必要です。一度縮んだデニム生地は元の状態に直すことができないので縮ませないことを心がけます。
乾燥機で縮んでしまうのは高温の風を長時間受け続けたためなので、乾燥時間の設定に注意することでトラブルを避けることが可能です。洗濯でデニム生地に吸い込まれた水分を取り除く程度の時間に留め、その後は天日干しで乾かすのが愛用のジーンズを縮ませないための工夫になります。天日干しの際も直射日光は避け、陰干しにすることを忘れてはいけません。
ジーンズの状態によっては乾燥機にかけられないことがある
#化学繊維が織り込まれたデニム生地は大きく劣化するので危険
ジーンズの中にはフィット感を持たせるため、デニム生地にポリエステルなどの化学繊維を織り込んだ物があります。綿糸だけのデニム生地よりも柔らかい他、伸縮性にも富んでいるので履きやすいのが利点です。
化学繊維は水を吸わないので洗濯後も早く乾きますが、その一方で綿糸以上に熱を嫌うので乾燥機にかけることができません。化学繊維入りのジーンズを乾燥機で乾かそうとすると、ズボンとしての機能を損なうほどに大きく縮んでしまう可能性があります。織り込まれた繊維の量や温度設定によっては生地が溶けてしまうこともあるので乾燥機の使用は避けるのが賢明です。
#燃えやすい成分が沁み込んだジーンズは発火のおそれがある
油脂や石油燃料などが沁み込んだジーンズを乾燥機にかけるのは危険です。高温の環境に置くことで生地が発火するおそれがあります。また、乾燥機の中で高速に回転することで静電気が溜まり、発生した火花に引火する可能性も否定できません。ジーンズを乾燥機で早く乾かす行為はリスクが多いことを把握する必要があります。他にも金属の粉末やおがくずが燃えやすい汚れの一種なので、洗濯で十分に洗い流しても乾燥機を使うのは避けます。
乾燥機で乾かした方が良いケースについて
#コインランドリーの大型乾燥機は色落ち予防に最適
家庭用洗濯機でジーンズの洗濯や乾燥を行ったら色が落ちたというトラブルは珍しくありません。これはサイズが小さい洗濯機の中でジーンズが何度も他の衣類と絡まり合い、その際に摩擦で生地の色が抜け落ちたためです。
愛用のジーンズの見た目が悪くならないようにするにはサイズが大きいコインランドリーの設備を使うのが効果的な方法になります。他の衣類と絡まるリスクが減るので生地の色落ちも無くなり、見た目が悪くならずに済みます。乾燥機の場合も同様なので、生地が縮まない程度の時間に設定することで綺麗に乾かすことができます。
#敢えて高温で乾かして生地を縮ませるおしゃれもある
デニム生地を縮ませないためには乾燥時間を短くするのが良い方法ですが、敢えて縮ませてダメージジーンズを作る方法があります。ダメージジーンズの一種として個性的なファッションアイテムになりますが、その一方で家庭用の洗濯機では温度があまり上がりません。
デニム生地を大胆に縮ませるならコインランドリーの大型乾燥機が最適と言えます。わずかな温度の違いが生地の縮み具合を変えるので、まったく同じ状態に縮ませることはできません。他には無い、自分だけのダメージジーンズを作るなら高温で乾かして生地を縮ませるのがもっとも良い方法と言えるでしょう。
ジーンズの状態を見て乾燥方法を決めることが重要
ジーンズの洗濯や乾燥は家庭用の洗濯機でも可能ですが、時間設定に注意することが生地の縮みを避けるための心得です。デニム生地は熱によって急激に縮むことから、乾燥機で乾かす場合は生地に沁み込んだ水分が蒸発する程度の時間に留めます。その後は天日干しで乾かしますが、その際も陰干しにするのが生地を傷めないための工夫です。