一年に一度は、ドライクリーニングを利用したことがあるのではないでしょうか。
たとえば、季節の変わり目の洋服の入れ替えを行ったときやフォーマルな洋服に袖を通したときなど、ドライクリーニングのお世話になる機会が度々あるでしょう。
そもそも水洗いで洗うこととドライクリーニングの違いを理解したうえで、皆さん利用している方がどのくらいいるのでしょうか。
詳しく知らないドライクリーニングの洗い方と、ドライクリーニング活用方法の取り入れ方についてです。
目次
ドライクリーニングとは何か?
乾燥洗濯の意味を持ち、水を使わずに工業ガソリンなどの有機溶剤を溶かし入れて衣類を洗濯することをいいます。
洋服の伸びやヨレや縮み・色あせなどを心配することなく形を整えたまま汚れを落とすことができるため、洋服には適したクリーニングと言えます。
ドライクリーニングのメリット・デメリット
ドライクリーニングのメリットは、2つあります。
メリット①:油脂性の汚れに強い
1つ目は、油脂性の汚れを落としやすい点です。
油やチョコレート、ボールペンのインクや化粧品などの油脂系をしっかり落とすことが可能です。
メリット②:洋服の型崩れや色落ちがない
2つ目に、水を使わずに洗濯するため、型崩れや縮み・色落ちしやすい、ウールやシルク・カシミヤ素材の洋服も気兼ねなく洗濯できるという点です。
デメリット:水溶性の汚れは落とせない
ドライクリーニングのデメリットは、水溶性の汚れやシミには効果が期待できません。
水溶性の汚れとは、例えば、汗や果汁・醤油・アルコールといったような汚れをいいます。
ドライクリーニングと水洗いと比較
ドライクリーニングと水洗いの比較をしてみると、大切な衣類を傷めることなく洗えるかという点が違います。
ウールやシルクも洗える
自宅で一番困る洗濯というのは、色々な素材があることで一緒に洗えないことや、ウールやシルク・カシミヤ・ファーを使ったデザイン性の高い素材はどうやって洗えばいいの?と感じてしまうことです。
その点、ドライクリーニングでは、先述の通りウールやシルク・カシミヤといった素材の洋服も気兼ねなく洗うことができます。
風合いも保たれる
自宅での水洗いでは、毛玉や縮み伸びやヨレがどうしても起こってしまいます。
繊細な素材できた洋服の他にも、コートやスーツは、自宅で洗ってしまうと風合いが崩れてしまい、形もヨレヨレになりこんなはずではないのにとショックを受けてしまいます。
繊細な素材や大切な洋服は特にドライクリーニングがおすすめ
自宅で洗った場合に、驚きを隠せない仕上がりに後悔する可能性があるため、定期的にクリーニングに出すことをオススメします。
水洗いに向かない素材
コートやジャケット
綿やアクリル製の洋服については、自宅で洗うことができます。
しかし、コートやジャケットは、ウールやカシミヤやレザーなどの生地を使ってできている衣類なので、水洗いするには向かないです。
女性は特に、襟周りにファンデーションが脱いで着たりするときに付きやすいため、ドライクリーニングできれいな仕上がりにしたいところです。
プリーツスカート
デザインに凝ったワンピースやプリーツスカートは、付いたしわをなくして元通りの洋服の形へともどすことが意外と難しく、水洗いで洗ってしまうとしわが多くついて、気になってしまうものです。
型崩れにおいても、ドライクリーニングのほうが安心です。
スーツ
さらにスーツは、ウール素材がメインで入っているために、型崩れや清潔感を出すうえではドライクリーニングが合っているでしょう。
クリーニング店によりけり、汗抜きクリーニング・ウエットクリーニングという名前での取扱いの水洗いといった方法もあるので、相談してみるといいかもしれません。
ドライクリーニングマークがあるものを家で洗濯していい?
ドライクリーニングマークを勘違いしている方が多いと思います。
なぜなら、「ドライクリーニングをしても大丈夫ですよ」という意味であって、ドライクリーニングをしないといけないわけではなくドライクリーニングマークだけでの判断はできないのです。
ドライクリーニングマーク・手洗いマークかもしくは洗濯機マークのタグがあるものについて、自宅で洗うことができるという意味になります。
家で洗濯する場合の手順
- まず、洋服をネットに畳んで入れます。
- おしゃれ着専用の洗濯洗剤を利用します。
- 洗濯機の機能の中にある、弱水流コースやドライクリーニングコース・おうちクリーニングなどで洗います。
注意点
他にも、ドライクリーニングマーク・水洗い禁止マークがありますが、水洗いも可能ではあるけれど洋服に傷みを生じさせることも有り得るため、注意が必要となります。
特にウール70%以上などの表示があるときは、手洗いしてしまいましょう。
手洗いするにあたり、ネットに畳んで入れておしゃれ着専用の中性洗剤を使って洗っていきます。
このときにつけ置き洗いは行わず、こすることやもみ洗いせずにそっと押し洗いをして、優しく扱います。
自宅で洗濯してはいけないもの
自宅で洗濯してはいけないものは、4つあります。
- 色落ちや色あせてしまうもの
- レーヨン・キュプラ・シルク・カシミヤ・革・和装類・ちりめん製品
- プリーツやしわなど特殊加工しているもの
- 特殊な装飾があるもの・芯があるもの
以上の洋服について、家で洗濯をすると台無しになり洋服が傷んで次に着られなくなることがあります。
クリーニングに出して、長く着られるようにする方がメリットです。気に入った洋服は何度も着る機会が増えるので、大事に扱いたいですね。
ドライクリーニングの仕上がりは何日かかる?
まずは、洋服の種類によるという点です。
スーツヤワイシャツは、早仕上げのお店で即日や翌日できるところから、3日から1週間くらいの時間を考えておくと良いようです。
冬になると良く着るダウンコートや乾燥に時間を要する洋服、カシミヤ・ファー・革は1週間くらいかかってしまうようです。
浴衣は2週間、着物は1ケ月の時間が必要になります。
つまり、ドライクリーニングに出すものというのは、自宅で洗えず難しいことが主です。クリーニングの仕上がりも日数に時間を持たせるように心がけます。
クリーニングに出す頻度はどのくらい?
衣類の種類や汚れの付き方で臭いが変わってきます。
冬の季節になるとセーターやコートを着る機会が増えるので、2~3週間に1度くらいを目安にするといいです。
衣替えの時期は、汚れたまま衣装ケースに保管してしまうと虫食いの原因となるので、クリーニングに出しましょう。
注意点
注意したい点は、即日で仕上げる場合に依頼したとき、仕上がりが戻ってきたら余計に悪くなって返却されるというトラブルに合うこともあります。
自分自身が、信頼のおけるお店を見つけておくのが良いでしょう。
クリーニングに出すときのコツ
クリーニングに出すときのちょっとしたコツがあります。
コートを出す前に、ドライクリーニングでは落ちにくい手あかなどは、事前に中性洗剤を薄めたものでポケット付近の汚れを洗っておくときれいになるようです。
セーター類は、縮んでしまうことが気になるので寸法を計ることと、割高になるけれどワンランク上のクリーニングに出すのも一つの方法です。
お店にも得意な分野があるため、着物を出すときはここのお店で、ダウンコートを出すときはこちらのお店というように使い分けをして変えるともっといいかもしれません。
お店の使い分けをするまでの時間がないといったときは、良くクリーニングに出すお店の人とのコミュニケーションをとることを推奨します。
お店の人に気軽に相談をして、信頼関係を築いておくと困ったときにお願いしやすくなります。顔見知りになるとお店側から、アドバイスをもらえたり細かいことにも気を配ってもらえたりと良いことがあると思います。
たかがドライクリーニングとは考えず、身近なクリーニングに出すといった心持ちで利用するのがいいのではないでしょうか。