毎日着るスーツやYシャツにピシッとアイロンがかかっていると、とても気持ちが良いですよね。しかし、分かってはいるけどアイロンが苦手という方も多いのではないでしょうか。
今回はアイロンの基本から、仕上がりをワンランクアップさせるためのコツを紹介します。自宅のアイロンで、クリーニング仕上げにチャレンジしてみましょう!
目次
アイロンがけをする前に確認すること
アイロンがけをするときには、まず取り扱い絵表示を確認します。
アイロンマークが付いている洋服は、アイロンがけができます。アイロンマークにバツ印が付いていた場合は、アイロンをかけてはいけません。
アイロンマークの中に書いてある「低・中・高」の文字は、アイロンの温度を示しています。アイロンマークの下に横線が入っているときは、当て布が必要です。
生地を傷めないよう、取扱い絵表示をしっかり守りましょう。
アイロンがけの基本
アイロンには、必ず守るべき基本があります。
生乾きでかける
アイロンがけは生乾きでかけます。洋服に水分が残っている方が、しわがよく伸びます。もし完全に乾いてしまっていたら、霧吹きを使って洋服全体を湿らせると効果的です。しわが伸びやすいことで洋服にアイロンを当てている時間が短くなり、洋服にかかる負担を減らすことができます。
生地の特性を知る
麻や綿のアイロンがけをするときには、霧吹きでしっかり生地を濡らしてから高温で作業します。ポリエステルは水でぬらさず、低温でアイロンをかけましょう。ウールはアイロンを生地には触れさせずにスチームをたっぷり当て、手でしわを伸ばします。
当て布を上手に使う
デリケートな生地は、直接アイロンを当てると生地が傷んでしまいます。ウール、カシミヤ、シルク、レーヨン、ポリエステルは必ず当て布をします。色の黒い洋服も、テカリを防止のため当て布をした方が良いでしょう。当て布は、使わなくなった木綿のハンカチを利用しても良いですね。
アイロンがけ のコツ・ ポイント
アイロンをかけてもいまいちパリッと仕上がらないという方は、やり方が間違っているのかもしれません。アイロンの仕上がりをワンランクアップさせるコツを紹介します。
下準備を大切に
アイロンは下準備が大切です。アイロンをかけ始める前に、衣類をアイロン台の上に広げ形を整えて、手でしわを伸ばしましょう。
後ろに重心をかける
アイロンは、後ろに重心をかけて動かします。こうして先端を少し浮かせぎみに作業すると、アイロンをスムーズに動かせます。途中で生地に引っかかって余計なしわを作ってしまうことが無くなります。
すぐたたまない
完成してもすぐにたたまないこと。アイロンが終わったばかりの洋服は、蒸気や熱が残っています。アイロン終了後、30分くらいはハンガーに吊るして洋服を休ませましょう。
Yシャツ・スーツ・ネクタイのアイロンがけ方法
ビジネスマンの必需品であるYシャツ・スーツ・ネクタイのアイロンがけをしてみましょう。
Yシャツ
Yシャツは、襟→肩→そで口→そで→右前身ごろ→後ろ身ごろ→左前身ごろの順番でアイロンがけをします。
人から見られる襟とそで口は、裏から先に作業しましょう。そうすれば、もし失敗してしわが入ってしまっても目立たなくてすむからです。
肩や身ごろのアイロンをかけるときは、アイロン台の形を利用します。アイロン台に引っかけるように広げ、しわにならないよう少しずつ移動させながらアイロンがけをしましょう。そでと背中のタックも忘れずにアイロンがけします。手でタックの形を整えて上から押さえるようにアイロンを当てると、きれいな折り目を付けることができます。
スーツ
次にスーツのアイロンがけ方法です。
半乾きでかける
スーツにアイロンをかける際の最初のポイントは、半乾きのうちにアイロンをかけること。水分を含んだ状態の方がしわがしっかり伸びるからです。もし乾いたスーツにアイロンをかけるときは、霧吹きで全体を濡らしてから始めると良いでしょう。
あて布
2つ目のポイントは、必ず当て布をして掛けることです。スーツの素材はウールであることがほとんどです。当て布をしないと、生地の傷みやテカリを招いてしまいます。
裏側からかける
3つ目は、裏側からアイロンがけをすること。裏側からアイロンを当てしっかりしわを伸ばした後、表に戻し折り目を付けていきましょう。上着の肩やズボンの腰回りなどは、巻いたタオルを中に入れて、形を作りながらアイロンがけをするときれいに仕上がりますよ。
最後に、アイロンがけが終わったら熱が冷めるまでハンガーにかけて吊るしておいてください。
ネクタイ
ネクタイのアイロンがけにもチャレンジしてみましょう。ネクタイはシルクで作られていることが多く、とてもデリケート。アイロンがけにも注意が必要です。
ネクタイのアイロンがけには、スチームアイロンを使います。
まずアイロン台の上にネクタイを広げ当て布をし、低温から中温程度でネクタイから1センチほど離したところからたっぷりスチームを当てます。アイロンをネクタイに直接押し当ててしまうと、テカリがでたりネクタイの厚みが損なわれたりします。気を付けてください。スチームを当て終わったら、一度アイロンを置き手でしわを伸ばします。
コツは、ゆっくり優しく伸ばすこと。強く引っ張りすぎると型崩れの原因になります。しわが伸びたらもう一度当て布をして、スチームを出していないアイロンを1センチ離した状態でかけ、水分をとばしておしまいです。
クリーニングのような仕上がりにするコツ
ここまで、アイロンの基本と作業のコツを紹介してきました。
最後に、さらにきれいにクリーニングのような仕上がりにするためのコツを2つ、お伝えします。
両手でアイロンがけ
1つ目は、アイロンがけは両手で行うということ。片手でアイロンを持ち、もう片方の手で洋服の反対側や縫い目を押さえてひっぱります。そうすると、アイロンの力だけでしわを伸ばすのに比べて、ピシッとしわを伸ばすことができますよ。
プレスして使う
2つ目は、アイロンはプレスして使うということ。アイロンがけは、生地の上にアイロンを滑らせることでしわをとると思われがちです。しかし、本当にしわが伸びるやり方は、上から押さえる方法です。深いしわを取りたいときや、しっかりした折り目を付けたいときにはぜひこのコツを思い出してください。