ゴアテックスは洗濯しても大丈夫!上手にメンテナンスして長持ちさせる方法

雨をはじき、風の侵入も防ぐという新しい素材のゴアテックス(GORE-TEX)。
アウトドア用品をはじめとした様々な製品に使われていますが、山歩きなどを楽しみ、汚れてしまったゴアテックス素材のレインコートなどは洗濯しても大丈夫なのでしょうか。結論から言ってしまうと、一見繊細な素材に見えるゴアテックスですが自宅で洗濯することが可能なのです!
そこで今回はゴアテックスについて説明しながら、詳しい洗濯方法や長持ちさせるためのお手入れ方法も併せて紹介します。

ゴアテックスってそもそもどんな素材?

ゴアテックス(GORE-TEX)は、WLゴア&アソシエイツ社によって作りだされた防水透湿性素材(ぼうすいとうしつせいそざい)のことです。

これまで一般的であったレインコートでは、雨や風は防げても汗を外に逃がすことができなかったことから中で蒸れてしまうものが多くありました。それを解決するために誕生したのがゴアテックスです。ゴアテックスは雨や風の侵入を防ぎながらも中の熱を外に逃がせるため、中で蒸れることがありません。そのため、アウトドアのシーンで広く活躍している素材です。

ゴアテックスは、ポリテトラフルオロエチレンを大きく延伸させたePTFEフィルムと、ポリウレタンポリマーを複合させることによって作られています。1平方センチメートルに14億個といった小さな孔を持ち、この微小な孔によって水蒸気は逃がしながらも雨は通さないことに成功しています。製品として実際に使用が始まったのは1976年のことで、アメリカのEarly Winters 社のテント素材として採用されました。以降はアウトドア製品に広く利用されるようになり、ウィンドブレーカーとも併用できるレインウェアーは世界中で人気です。

ゴアテックス製品を洗濯するメリット

では、ゴアテックス製品を選択するとどんないいことがあるのでしょうか?

撥水機能の回復

まず1つ目のメリットとして、撥水機能の回復が挙げられます。撥水機能はゴアテックスのレインコートを他社のものと差別化する大きな特徴の1つですが、使えば使うほど失われていくものでもあります。

  • 日常的に付着した汚れに水が吸収されることで、上手く撥水ができなくなっていくのです。定期的に洗濯で汚れを取り除くことで、撥水機能をキープしながら長く使うことができます。

縫い目の防水加工テープが剥がれてしまうことを防ぐ

  • 汗や塵などの汚れを洗わずに放置しておくと生地が劣化し、最終的には縫い目を防水している「シームテープ」が剥がれてしまうのです。

ゴアテックスを愛用している人はもしかしたら経験があるのではないでしょうか?この状態になってしまうと見た目的にもかなり劣化してしまい、買い換えるほかありませんね。

ゴアテックス(レインコート)の洗濯方法は?

洗濯表示を確認

ゴアテックスのレインコートですが、実は自宅で洗濯することができます。まずは洗濯絵表示タグを確認してみましょう。洗濯機で洗えるのか手洗いのみであるのかをきちんと確かめ、乾燥機が使えるかどうかもチェックします。

洗濯ネットに入れる

  • 洗濯機でゴアテックスのレインコートを洗濯する場合には、ウェアの絡まりを防ぐために必ず洗濯ネットを使用しましょう。
  • また、洗剤は石けんタイプのもではなく液体を選ぶのがおすすめです。というのも、石けんでゴアテックス素材を洗濯すると化学反応が起こり、新しい汚れを作り出してしまう可能性があるためです。
    せっかく洗ったレインコートが汚れてしまわないためにも、なるべく液体の洗剤を使用するようにしましょう。
  • 洗濯ネットに入れる前には、レインコートについているファスナーやベルクロをすべて閉じておきます。ファスナーなどが開いていると余計な負荷がかかりやすく、ファスナーが破損してしまうことや生地が傷つけられてしまうこともありますので注意が必要です。
  • 収納されているフードがある場合には汚れ落ちのムラが出てしまわないためにも取り出して広げておきましょう。
    もし、コード類がついている場合にはすべて緩めます。その後洗濯ネットに入る大きさにたたみ、洗濯機に入れましょう。

ぬるま湯で洗濯

  1. 洗濯機に中性洗剤を入れ、洗濯表示ラベルに記載されているお湯の温度を選択し、弱流に設定して洗濯を開始します。
  2. 40度以下のぬるま湯を使用することで汚れが落ちやすくなりますので、可能な限りぬるま湯を使用しましょう。この際、柔軟剤や漂白剤、染み抜き剤などは使用してはいけません。
  3. さらに、ゴアテックスに洗剤や汚れが残ってしまうと撥水性が低下してしまいますので、すすぎは特に念入りに行います。いつもの2倍の長さですすぎを行い、しっかりと洗剤と汚れを落とすことが大切です。
  4. 水を通さない素材であるゴアテックスは脱水の必要がありません。軽く水を切ったら風通しの良い場所で陰干しをして乾燥させます。

漂白剤はNG!

塩素系漂白剤は素材を傷めてしまう恐れがあるので、使うのは避けましょう。

洗濯後のメンテナンスも肝心

優れた性能を持つゴアテックスであっても使用しているうちに少しずつ撥水効果は弱まってしまいます。
しかし、きちんとメンテナンスをしていれば撥水機能を回復させ、長く使い続けられますので定期的にメンテナンスをするのがおすすめです。

アイロンをかける

まず、洗濯をして乾いたゴアテックスのレインコートにはあて布をして中温でアイロンをかけます。ゴアテックスは温めることによって撥水性能が回復しますので、アイロンは非常に効果的です。

また、乾燥の際に標準温度に設定した乾燥機を使用するのもいいでしょう。乾燥機にかけてウェアが乾いた後に、さらに温風で20分以上乾燥機にかけると撥水効果の回復がより期待できます。

撥水剤を使う

もし、洗濯や加温をしても撥水性能の回復が感じられない場合には、撥水剤を使用する方法もあります。レインコートに使用する撥水剤はアウトドアショップなどで売られているウェア用のものを選びましょう。

  • 撥水剤は洗濯後のレインコートに薄く吹きかけ、乾燥したらまた吹きかけるというのを4~5回ほど繰り返し行います。同じ場所にかけすぎてシミになってしまった場合にはアイロンで熱を加えるとシミを薄くできます。

ドライクリーニングは推奨されてない

ゴアテックス素材は基本的にクリーニングではなく自宅での洗濯を推奨しているようですが、絶対にしてはいけないというわけではありません。もしクリーニング店でドライクリーニングを依頼したい場合には、そのクリーニング店が石油系洗剤を使っているかどうか聞いてみてください。石油系洗剤ならドライクリーニングも可能です。

  • ただし、撥水機能が弱まってしまう可能性があるので、撥水加工も忘れずに付けてもらうようにしましょう。

ゴアテックス(シューズ)の洗濯方法は?

ゴアテックスの中で、レインコートの次に人気の製品がシューズです。シューズはレインコートよりも泥によって汚れる機会が多く、レインコートと同じく放っておくと防水性や防風性が失われていってしまいます。

シューズも実は自宅で洗うことができます。洗い方を詳しく見ていきましょう。

シューズの中を綺麗にする

まずはシューズの中を綺麗にしましょう。靴紐を縛っている状態からほどき、中に入っている小石や砂を取り除いた後に靴の中じきも外しましょう。

シューズの外側を綺麗にする

次にシューズの外側の汚れを綺麗にしていきましょう。

  1. まずはシミを取ります。洋服用の染み抜きではなく、シューズ用のシミ抜きを使用するようにしてください。シミ抜きを使うときには、必ず取扱説明書に沿った方法で使うようにしましょう。
  2. シミ抜きを終えたら、布やブラシを使って優しく汚れを落としていきます。レインコートと同じく40度以下のぬるま湯をかけながら洗うことで汚れを効率的に落とすことができます。
  3. シミ抜きと同じく、シューズのメーカーが推奨しているお手入れを行いましょう。

乾燥させる

最後に乾燥させます。ドライヤーや乾燥機にかける必要はないので、晴れた日に日陰で自然乾燥させましょう。もし乾きが足りないようなら、対流式ブーツドライヤーでしたら使用することができます。

 

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