使い方を知らないという人も多い洗濯のり。しかしこれを用いればまるで洗濯のプロに頼んだ時のように衣服に張りを持たせることができます。なんとなく難しそうなイメージがあるからと、使わないのは損をしているといえるかもしれません。要領を覚えれば意外に楽に使いこなせる洗濯のりについて見ていきましょう。
目次
洗濯のりの種類について
大まかに2つに分けられ、シンプルなボトルに詰められたタイプとスプレー式があります。洗濯機に入れるならボトルタイプ、スプレーはちょっとのりを足したい時に便利で、アイロンをかける最中に襟などに噴き付けるのに適しています。
このように形式は2パターンですが中身は天然素材、人工、半合成の3つが流通しています。それぞれの特徴についても確認していきましょう。
天然のりの原料とは
昔は接着剤にお米などデンプンを使ってきたイメージですが、現在でもコーンスターチ、タピオカなどという原料の違いはありますがやはり自然から採集できる粘りを使っています。合成の糊に効果が劣るかといえばそんなことはなく、実は一番仕上がりが素晴らしく張りを持たせられます。
そしてリセットも楽で洗えば落ちやすいというのがポイント。お祭りの時など貸衣装というのはやたらにたくさん糊が使われていてゴワゴワということもありますね。クリーニングのサービスで糊が多すぎて困るという店舗もあるとか。
その場合お客さん自身が糊を落とそうとする二度手間が掛かり、しかも落ちにくいという感想をこぼす人もいます。その場合は調整してくれるように依頼するしかありませんが、糊の量は一定になっていて対応してくれない店舗もあります。糊と言っても使い方次第では着衣の時に着心地の悪さを感じる原因になるんですね。
天然のりなら、もし失敗しても落としやすいというメリットがあります。しかし天然のりで仕上げた服をクローゼットにずっと収納していると虫やカビが発生しやすいというのは天然のりならではのデメリットです。
普段使いするワイシャツとかに適切といえるでしょう。価格の相場は250グラムで70円台ほどです。100円ショップの通販などでも販売しています。費用の面ではほとんど負担になりません。
合成のりの特徴
合成のりはどのような素材の服にも適していてシワや汚れの防止力に長けています。アイロンの熱によって焦げが発生しにくく扱いやすさがポイントです。価格の相場は750ミリリットルで80円くらいなのでこちらの方がやはり天然のりより安いと言えます。
半合成のりの特徴
文字通り自然素材と化学成分どちらも使用したのが半合成のりで、汚れの付きにくさは合成のりから来るもの、自然素材からはのりの落ちやすさという特徴を併せ持っています。しかしまんべんなく行き渡らせることができず服のカラーが斑っぽくなるのでワイシャツや白い衣服のみに使用することをおすすめします。
洗濯のりの使い方
洗濯のりをどのように使ったらいいのかについて確認してみましょう。
柔軟剤と同じくあまり洗い落とさず服に残したい成分なのでこれから脱水するという時に洗濯機に投入します。洗いとすすぎまで終わったら一時停止ボタンを押して洗濯のりを適量測って混ぜます。
できれば原液を入れるのではなく洗面器などで溶かしてから入れましょう。洗濯のりの原液が付いた部分がシミになってしまい、お湯に浸けても落ちなくて困ったという悩みを抱えるひともいるようです。
糊は便利ですがやはり塩素系漂白剤や酸素系漂白剤などのように、原液が直接掛かったり長時間浸け置きしすぎると服に変な化学反応が起こり変色やシミ、こびり付きなどの原因になるかもしれません。なのでそのようなことにならないため、一度薄めてお湯で溶かしてから洗濯機に入れることを心掛けると良いです。
そして仕上がったら素早く干さないと変な癖がついてしまいますから気を付けましょう。
手洗いの場合
洗面器、洗面台など普段手洗いをしているところへ水を溜めたら、洗濯のりを適切な分量混ぜて3分衣服を洗います。両手でブクブクと沈めては、自然に浮かしという押し洗いを何度か繰り返して、成分を染み込ませたら3分後にシワにならないよう軽く手で脱水します。
まだ水分が多く残っている状態で、このまま干すと時間が掛かりすぎ雑菌が増えて悪臭の原因になってしまいます。しかし絞りすぎると衣服を傷めますので残りの水分はタオルやバスタオルに吸収させたらハンガーに形を整えて干します。
スプレーのりの使い方
スプレータイプは400ミリリットルで400円くらいの値段で販売しています。ガスで出るものと、液体の霧吹きのようなタイプに分かれます。これらは主に部分的に、襟や袖口などに用いますがコツがあり、スプレーしてすぐにアイロンをかけるというのは実は間違った使い方です。
乾いてからしかもアイロンの設定を高温にせず下げて仕上げるというのが正しいスプレーのりの使用方法です。どちらも衣服に焦げを作らないためですから気を付けましょう。
柔軟剤との併用
柔軟剤も使って大丈夫かと疑問に思う人もいるかもしれませんね。のりは服を固めてパリッとさせる作用があり、柔軟剤はその真逆の柔らかくする働きをします。ですからどちらも使うと相殺されて変な仕上がりになりそうな予感がしませんか。
しかし、実はこれらは併用することができます。しなやかさとハリのある仕上がりという、両者の素晴らしい要素が現れた服になるのです。使い方について確認していきましょう。
まず洗濯のりを入れるタイミング、つまり濯ぎが終わった時に柔軟剤も入れます。のりでバリバリになってしまうとまでは行きませんが、やはり柔軟性は多少失われるのが特徴の洗濯のり。柔軟剤もプラスすれば一段と着心地の良い服になります。
クリーニングに出すメリット
とはいえ、やはりプロの技術があってこそ解決できる衣服の悩みというものもあります。シミや落ちない汚れはお任せしたいですし、水分を使えないドライクリーニングのマークは自宅で洗えません。専用の洗剤を使えば良いと考える人もいるかもしれませんが本当のドライクリーニングというのは工業ガソリンなど特殊な溶剤を用いて汚れを落とすというものです。
時間がないという人でも近年は宅配クリーニングというサービスがありますから気軽にクリーニングに出すことができます。送料無料のプレミアム会員登録などお得なシステムを用意しているところも。どのくらい時間がかかるのかという疑問が湧きますが、最短で2日という場合もあり、配送含めて2日というのはかなりスピーディーな対応と言えるでしょう。
なので仕事などが忙しくてクリーニングに行く暇がなく、出せていなかった服もこの際まとめて洗濯してもらうと良いかもしれません。
クリーニングに出すデメリット
やはり、費用や手間、時間がそこそこ掛かってしまうので頻繁にクリーニングを依頼するわけにはいきません。普段使いするものは自宅で仕上げるのが普通です。しかしシミができたらある程度は漂白剤で落とせますし、洗うと縮むとかよほど扱いの難しい服でないなら自分で洗濯できます。購入する時には一般家庭でも扱いやすい素材かどうかをチェックするというのもポイントです。
しかしやはり高価な服や、クローゼットに閉まっておく方が長いような晴れ着はクリーニングに出したいですよね。そちらの方が気分良く着られるという人も多いのではないでしょうか。家でもなるべくその仕上がりに近付けたい、そんな時にまるでクリーニングに出したみたいにプロ級の洗濯ができる洗濯のり。
価格は安いのに着心地や見た目をアップさせて気分を上げてくれるアイテムです。是非活用してみてはいかがでしょうか。