昔から苦戦する人が多かったのでしょう、糸通しには色々なコツがあります。
昔からの定番は糸の先端を少しだけ舐めると言うものです。糸がまとまるので通しやすくなります。ただし舐めすぎると逆に糸が柔らかくなってしまい、かえって通しにくくなることも珍しくありません。舐めすぎた、あるいは舐めるのは抵抗があるという人は先端を斜めにカットすると良いでしょう。先が細くなるのですぐ通るようになります。ただし穴が小さい針だと、糸の一部分だけが通って後がひっかかり、糸が穴部分でほつれてしまうこともあります。
目次
糸通しの仕方
舐めたり切ったりという方法は古くからあるものの、普段裁縫をしない人にはこれでは足りないかもしれません。
糸の先を固める方法
とにかくもっと簡単に通したい、という人は糸の先を固めてより通しやすくしましょう。固める方法は身近にあるヘアスプレーやマニキュアを使います。ヘアスプレーの場合は指にとって糸に揉み込むだけ、マニキュアは通常の方法で塗りつけるだけです。針に通した後は、固めた部分を切り落としてしまえばそれで完了です。縫ってからしばらく時間を置いた方が、より固まって通しやすくなります。
針と糸を持つ手を持ちかえる
道具を使うほどではない、もっと手近な方法を試したいというときは、針と糸を持つ手を持ちかえる方法がおすすめです。通常は利き手に糸を持って針に通しますが、逆に針の方を利き手にもち、針穴を糸に被せる感覚で行います。ちょっとしたコツですが意外に効果が高く、糸先を固める方法と併用すればより効果を実感することができます。
黄色い紙を針の後ろに持ってくる
黄色い紙や布を針の後ろに持ってくる、というのもよく言われる工夫です。黄色などの明るい色は影との差がはっきりと分かります。そのため針穴の影が分かりやすくなり、穴の周辺が見えやすくなるのです。黄色を持ってくる以前に、明るい場所で裁縫をするというのは基本です。糸を通すことに集中するあまり姿勢が悪くなり、自分の影で針が見えにくくなっていた、というのもよくあることです。目を悪くしないためにも、裁縫は明るい場所で行うようにしましょう。
お役立ちグッズ
日頃から裁縫をする機会が多いのであれば、糸通しグッズを用意して裁縫箱にセットしておくのもいいでしょう。
スレダー
最も定番なのはスレダーと呼ばれる、薄い板と針金でできたタイプのものでしょう。小学校の家庭科の授業で使ったという人も多いのではないでしょうか。薄くかさばらないので、裁縫箱に入れておいても邪魔になりません。
いつも裁縫する場所が決まっているという人は、卓上で使う糸通し器を置いておくのがおすすめです。指一本で糸を通すことができるので、生地の色や種類に合わせて糸を取り換える時にも重宝します。
マジック針
とにかくもう糸通しからは解放されたい、という人におすすめなのが、糸通しが不要になるマジック針を使うという方法です。マジック針は針の穴の形状が通常とは異なっており、糸を通すというより、ひっかけるようにして使います。針通しが必要なくなるという画期的な針なのですが、針穴部分が大きくなっている構造をしているので、薄いデリケートな生地を縫ったり、パッチワークをしたりするには不向きです。それでもちょっとした縫い物には十分役に立つので、場面に応じて使い分けていきましょう。
グッズの使い方
スムーズに裁縫を始めるために、便利グッズの使い方をチェックしておきましょう。
糸通しの使い方
まずは定番の糸通しの使い方です。最初に針穴に先端の針金部分を差し込みます。針金部分は細いので、狭い針穴でも楽に差し込むことができます。次に金属の間に糸を通し、糸通しを元の方向へ引き抜いて完了です。
卓上糸通し器の使い方
卓上糸通し器は本体にガイドが付いているので、それに沿って使っていきましょう。まず「針入れ」に、針穴を下にして針を入れます。使える針は針穴が楕円形のものだけです。刺繍針や丸穴針は使えないので注意しましょう。次に「糸かけ」に糸をかけて軽く押さえ、本体に付いたレバーを下に押します。針をゆっくりと引き上げると糸が輪の状態になって通っているので、後は片方を引っ張って整えれば完了です。
マジック針の使い方
マジック針を使うときも、使い方の解説を見ながら進めていくと良いでしょう。マジック針は針穴の上に溝が付いています。そこに糸をセットし、針先の方に引っ張ればそれで糸が通ります。ストッパーが付いている構造なので、逆にひっぱりあげても糸は取れることはなく、安心して縫い進めることができます。
自分に合ったグッズを選んで、針通しを快適に行っていきましょう。最初のイライラが軽減されれば、裁縫に苦手意識があった人でも気楽に取り組めるようになるはずです。