タンスにしまっておいた服やセーターが虫食いに遭っていたら、穴で見た目も悪くなり、ほとんどの場合もう外では着ることができなくなってしまいます。気に入っていた服を虫食いで捨ててしまうのは、もったいないものです。この記事では、これからしまう服を虫食いから守る方法と、虫食いができてしまう原因について解説します。
目次
衣替えしたら洋服に穴が…
衣替えの季節、服をタンスから出してみると穴が開いていた、という経験を持つ方も多いと思います。しまっていた服やセーターに穴が開いていたら真っ先に虫食いを疑ってしまいがちですが、服に穴が開いてしまう原因はさまざまです。
穴が開いた原因は?
服に穴が一つしかない場合、気付かない内にどこかで引っかけてしまったという可能性もあります。特にセーターは編み目が角や鋭いものに引っかかってしまうことも多く、穴が開きやすい衣類です。穴が一カ所だけなら、虫食い以外の原因も十分に考えられます。しかし、同じ服に一カ所だけではなく、何カ所も穴が開いていた場合は、虫食いの可能性が高いです。一カ所だけならともかく、何カ所も引っかけて穴を開けてしまうことは考えにくいからです。
虫はどこから発生する?
衣類を食べてしまう虫は、衣類害虫と呼ばれています。衣類害虫は大きく分けて二種類います。甲虫であるカツオブシムシと、蛾の一種であるイガです。これらの衣類害虫はどこからか発生しているわけではなく、卵のときから家の中に侵入しています。まず卵の親である衣類害虫の成虫が、外に干した洗濯物や窓などから家の中に入ってきます。そして侵入した衣類害虫は、タンスやクローゼットの衣類に卵を産みつけます。ふ化した卵から幼虫が産まれ、その幼虫が衣類を食べて成長するのです。
虫を見かけない理由
後で虫食いを発見しても、虫なんてどこにもいなかったということがあります。それは衣類害虫が成虫になると羽が生えて、どこかに飛んでいってしまうからです。衣類害虫は高層階であっても、侵入してくる可能性があります。
虫が好む環境
衣類害虫は15度から25度ほどの暖かく過ごしやすい環境を好み、家の中に侵入してきます。暖かいなかでも、特に湿気の多い環境を好みます。湿度が60%以上になると、そこは衣類害虫にとって過ごしやすい環境となります。暖かく湿気がこもりやすいタンスやクローゼットのなかは、衣類害虫にとってまさに快適な環境なのです。
食べこぼしにも注意
また、衣類に食べこぼしが付いていたり、洗濯が不十分で皮脂汚れが残っていた場合も注意が必要です。衣類害虫は食べこぼしや皮脂汚れなども好みます。衣類害虫は繊維や食べこぼし、皮脂汚れのほかにもホコリを好物とします。タンスの中は、家の中でもなかなか掃除が行き届かない場所です。ホコリが溜まってしまうと、衣類害虫にとってますます居心地のいい環境となってしまいます。
衣替えのタイミングで一気に虫を駆除しよう!
衣類をしまう際は、必ず洗濯をしてからしまうようにするのがポイントです。冬物は特に汗もかいていないし、汚れも少ないといった理由で、洗濯をせずにそのまま衣類をしまう方もいます。わずかであっても食べこぼしや皮脂汚れが残っていると、衣類害虫はそこを好んで食べてしまいます。洗濯して清潔な状態にしておくことで、虫食いからお気に入りの服を守ることにも繋がります。
収納場所もキレイにしよう
衣替えのタイミングで、タンスの中や収納場所を掃除してしまうのも手です。中を空にして掃除をすることが難しい場合は、服を入れたまま扉や引き出しなどを開けて風通しをよくし、湿気がこもらないようにしましょう。セーターは特に湿気がこもりやすいので、時々風通しのいい場所に干すのも一つの方法です。
防虫剤を活用しよう
いくらタンスやクローゼットの中を綺麗に掃除していても、衣類がある限り、それを好む衣類害虫が入ってくる可能性はあります。虫食いを防ぐには、収納場所を綺麗にしておくことも含め、防虫剤を活用するのがおすすめです。防虫剤には衣類害虫が服に寄ってくるのを防いだり、食欲を減退させる効果が期待できます。
様々なタイプがある
クローゼットには吊り下げ式の防虫剤、引き出しタイプの収納には服の上に置いて使用するものなどがあります。ほかにも、カバータイプの防虫剤やシートで服を包むタイプのものもあります。タンスの中を綺麗にすることと同時に防虫剤を使えば、より虫食いを防ぐ効果が期待できます。防虫剤に加えて除湿剤も置いておくと、虫が寄り付きにくい環境となるでしょう。
防虫剤を入れていても虫に食われる?
防虫剤を入れていても、虫食いが発生することがあります。その原因は防虫剤の使い方にあるかも知れません。防虫剤は密閉された空間で使わないと、効果を発揮しづらいといわれています。部屋にそのまま置いて使用しているハンガーラックや、扉を開けたままにしているタンスなどでは効果を十分に発揮することができない場合があります。
どうすればいい?
広い空間で使うときは、カバータイプの防虫剤を使用するのが最適です。服の上に置くタイプの防虫剤は密閉されていても、効果を発揮しにくいときがあります。収納にあまり服を詰めすぎると、全体に効果が行き届きにくくなるためです。収納に余裕を持たせて防虫剤を入れることで、効果が発揮しづらくなるのを防ぐことができます。また、ほとんどの防虫剤には有効期限があります。有効期限が切れた防虫剤は効果も薄いため、定期的に期限を確認することが大切です。