洗剤のパッケージに蛍光増白剤フリーという表示をよく見かけますが、蛍光増白剤とはいったい何なのかご存知ですか?蛍光増白剤入りの洗剤がいいのか、フリーのほうがいいのかわからないですよね。そこで、蛍光増白剤とはどのようなものか、入っているのといないのとでは洗剤にどのような違いがあるのか、メリット・デメリットなどについてご紹介しましょう。
目次
蛍光増白剤とは
蛍光増白剤とは、紫外線を吸収すると青白い光を発光する一種の染料と呼べる成分です。ほとんどの白物の衣類は、白さを際立たせるために製造過程で蛍光増白剤で処理されているほどです。
しかし、洗濯しているうちに蛍光増白剤は少しずつ落ちてしまうため、白さを保つために蛍光増白剤入りの洗剤が使われます。だからといって、たくさん使えば白くなるというわけではなく、使い過ぎても白さの鮮度を落としてしまいます。
また、見た目の白さを際立たせるものの、蛍光増白剤自体に汚れを落とす作用はありません。
蛍光増白剤は化学成分であるため、体や環境に悪い影響があるを思われがちですが、発がん性など悪影響のある成分ではありません。安心して使用できる成分です。
蛍光増白剤入り洗剤のメリット
蛍光増白剤入り洗剤のメリットは、白色の衣類を真っ白に仕上げてくれることです。洗濯を繰り返すことで黄ばんでしまった衣類も、蛍光増白剤入りの洗剤を使えば白さを取り戻すことができます。
タオルやワイシャツなど、毎日使用して洗濯回数も多いものは蛍光増白剤が落ちやすいので、蛍光増白剤入りの洗剤を使用するのに適しています。少量で輝くような白さにしてくれるので、重宝されているのです。
また、繊維にダメージを与えないというのも、蛍光増白剤の大きなメリットといえるでしょう。同じように衣類を白くする効果がある漂白剤は、衣類にダメージを与えるため用法に気をつけなければなりませんが、蛍光増白剤入りの洗剤はダメージを気にせず使用できます。
蛍光増白剤入り洗剤のデメリット
蛍光増白剤入り洗剤のデメリットは、風合いを楽しむ色目の衣類には使用できないことです。生地が傷むわけではありませんが、色味が変わり本来とは異なる色に洗いあがってしまいます。特に避けたいのは、生成りやパステルカラーです。白っぽく色あせた色合いになってしまうでしょう。
そのほか、レーヨンや麻、綿なども、使用するのを避けたい素材です。同様に、濃い色の衣類に繰り返し使っていると、くたびれた色合いになることもあります。そのため、白物以外では使用しないのが無難といえるでしょう。
また、体に害はないものの、肌が弱い人が使うとアレルギーを引き起こすことがあります。敏感肌の人や赤ちゃんの衣類には、使用を避けるのが無難でしょう。
蛍光増白剤入り洗剤を使う時の注意
蛍光増白剤入り洗剤は、白さを増強させる効果があるものの、紫外線の無い場所では本来の力を発揮することはできません。蛍光増白剤入り洗剤で洗った衣類は、紫外線の下では輝くような白さを放っても、蛍光灯の下では黄ばんで見えることもあります。
また、蛍光増白剤入り洗剤をよく溶かさずに洗濯すると、一部分だけに蛍光増白剤が付き、その部分だけ白くなってしまうことがあります。しっかりと溶かしてから使うようにしましょう。
そして、白くするために蛍光増白剤入り洗剤と漂白剤を併用するのは禁物です。相乗効果で白くなるわけではなく、反対にピンク色になったり、黄色に変色したりしてしまいます。漂白剤との相性は悪いので、併用は避けるようにしましょう。
蛍光増白剤入りの洗剤の見分け方
蛍光増白剤入りの洗剤は、パッケージに大きく蛍光増白剤入りと記載されているわけではありません。入っていないものの方が、蛍光増白剤フリーと大きく記載される傾向があります。では、どのようにして蛍光増白剤入りかどうかを見分けるのかというと、成分表をチェックするのが確実です。
蛍光増白剤入りの場合、成分表に「蛍光増白剤」もしくは「蛍光剤」という記載があります。蛍光増白剤入りの洗剤が欲しいなら、このどちらかが成分表に書かれているものを選びましょう。
また、洗濯用洗剤には蛍光増白剤入り、蛍光増白剤・漂白剤フリー、蛍光増白剤フリーと大きく3つの種類に分けられます。洗濯する洋服の素材や色に合わせて、適切な洗剤を選ぶようにしましょう。
蛍光増白剤が入っていない洗剤の方がいいのか?
蛍光増白剤が入っている洗剤がいいのか、入っていない洗剤の方がいいのかは、一概には決められません。白い衣類をたくさん洗うなら蛍光増白剤入りの洗剤がおすすめですが、麻や綿などの風合いを大切にする衣類なら蛍光増白剤の入っていない洗剤がおすすめです。蛍光増白剤入りの洗剤と、入っていない洗剤のどちらも用意して、衣類に合わせて使い分けるのがベストでしょう。
また、ネット通販を利用すると蛍光増白剤だけを購入することが可能なので、蛍光増白剤が入っていない洗剤を基本的に使用し、白物を洗濯する時だけ蛍光増白剤をその中にプラスするという使い方もできます。2種類の洗剤を購入するよりも、効率的といえるでしょう。
使用する洗剤によって洗濯後の仕上がりも大きく変わってくるので、しっかりと見極めたうえで洗剤を選ぶのがよいですね。