布団選びにはオプションがたくさんあり、何を基準に選んだらいいかの判断が難しいことがあります。
失敗しないためには、軽さが欲しいのか、温かいのがいいか、お手入れのしやすさが優先か、など、自分にとってなにが「快適」なのかを考えてみることです。夏用か冬用かでも見るべき点は違ってきます。どの商品を購入するか検討する前に、まず掛け布団について学んでおきましょう。
目次
掛け布団に使われている主な素材
掛け布団を選ぶ際に重要になる中材は、大きく分けて「綿」、「合繊」、「羊毛」、そして「羽毛」の四種類があります。それぞれの素材の特性をきちんと知っておくことはとても大事です。
合繊布団の特徴
合繊布団とは、ポリエステルなどの化学繊維が素材の中わたを使用した布団を指します。弾力性に富み、保温性にも優れています。木綿わたの半分ほどの軽さで、毎日の上げ下ろしも楽にできます。
ポリエステルわたは、軽くて嵩が高いため、掛け布団には非常に適した素材と言えるでしょう。自然素材に比べると綿埃が出ない、埃がたちにくい、乾くのが早いなどのメリットがあり、丸洗いができるのも高ポイントです。
ポリエステルわたの強みは、加工がしやすい化学繊維であるため、布団に適した様々な特殊加工ができるという点です。羽毛の構造に似せて羽毛布団のもつ保温性に近づけたもの、抗菌性を高めてアレルギー物質の抑制に対応したものなど、用途や目的によって様々なオプションの中から最適なものを選ぶことができます。
合繊掛け布団を選ぶ時は、どんな特殊加工が自分の目的に適うか、明確にした上で選択すると良いでしょう。比較的安価なのも嬉しいところです。合繊は軽い上に、制菌作用のある商品などのオプションが豊富で、丸洗いもできるので、夏の肌掛けとしてもお勧めできる素材です。
羽毛布団の種類
羽毛布団と一口に言っても、たくさんの種類があります。まずは「ダウン」と「フェザー」の違いを知っておきましょう。
「ダウン」とは、水鳥の胸の部分に密生して生える、ふわふわとしたわた毛のような羽で、吸湿性・保温性ともに優れています。ダウン率の高い布団ほど、お値段が高くなります。「フェザー」は羽軸を持った羽で、掛け布団に主に使われるのは、スモールフェザーと呼ばれる、水鳥のお腹のあたりに生えている小さい羽になります。
ダウンが50%以上使われているものは「羽毛布団」、それ以下だと「羽根布団」と区別されています。またダウンの含有率が高いほど、軽くて暖かい布団になります。ダウンは一羽の水鳥からとれる量が少ないため貴重で、ダウン率が高いほど高級品となります。
また、羽をとる水鳥の種類によってもお値段は変わります。主に羽毛布団に使われるのはダック(あひる)とグース(ガチョウ)の羽毛です。体が大きいグースはダウン一枚一枚の大きさも大きく、空気を多く含んで保温性が高くなることから、グース素材のほうが高品質とされています。他にも親鳥のダウンであるマザーグース、さらには寒冷地の水鳥から取れる最高級品、アイダーダックなどの種類があります。子供を守る親鳥や、寒冷地に生息する種類から取れるダウンは、保温性が高いというのはうなずけますね。
もうひとつ羽毛布団のランクを判断する基準に、ダウンパワーがあります。ダウンパワーは、羽毛布団の商品説明やタグに見られる、「360dp」などの数値で、羽毛の膨らむ力を評価したものです。この数値が大きいほど、羽毛の膨らむ力が強いということになります。ダウン率が同じでダウンパワーが大きければ、より弾力性のある布団になるということですね。
冬用の羽毛布団の重量は1.3キロくらいですが、夏に羽毛布団を使いたいなら、夏用の肌掛け羽毛布団もあります。こちらは重量0.3キロくらいが目安です。フェザーが少なめで、軽いものを選ぶといいでしょう。
羊毛の掛け布団
羊毛布団は、保温性能で言えば羽毛よりは劣るものの、合繊や木綿に比べると格段に優れています。吸湿性、放湿性にも優れていて、布団を干す機会が少ない場合でも、快適な寝心地を得られます。
ただし、日光に当てると劣化することから干す場合は陰干し、自宅でのクリーニングができないなど、お手入れが難しい素材でもありますので、自信がない場合は避けておいた方が無難です。
木綿の掛け布団の使い方
木綿わたの最大の長所は吸湿性が良いということです。ただ木綿わたには、吸湿性はあっても、羊毛のような放湿性はありません。そのために、天日干しが欠かせない素材です。重さもあるので、冬の掛け布団としてはあまり適していません。
夏掛けとしては、木綿は使い勝手の良い素材と言えるでしょう。吸水性、吸湿性に優れていて汗をよく吸い取ってくれます。タオルケットやガーゼケットの大きさであれば、かさばらず、丸洗いもできて便利ですね。
掛け布団は、側生地とカバーの素材にもこだわろう
中材に比べると見過ごされやすい、布団本体を包む側生地のクオリティですが、これも快適な睡眠には大事なポイントです。上質の側生地は、肌触りのやさしさ、体へのフィット感、蒸れにくく布団内の温度を快適に保ってくれるなど、快適な睡眠に必要な環境を整えてくれます。
お勧めは木綿やテンセル、リヨセルなどのレーヨン素材です。木綿の品質でも寝心地は変わります。60番手以上の細番手を使った木綿100パーセントのものを選びたいところです。
布団カバーにもこだわりたいですね。質のいいテンセル、リヨセルなどの布団カバーは肌触りもよく、夏の掛け布団の代わりにも使えるなど、活躍の場面が多くありますよ。
大事な睡眠環境を掛け布団で改善しよう
布団は毎日使うものなのに、知らないことも多いのではないでしょうか。平均睡眠時間が短くなっているとはいえ、ベッドは一日の約三分の一から四分の一を過ごす場所です。眠りの質は、肌にさわる素材のひとつで左右されることもあります。買い替えの機会があるときには、品質もお値段も納得できるまで比べてみてください。
ぐっすり眠れて疲れが取れる睡眠環境を作れる、自分にとってベストな掛け布団を選んでくださいね。