家の中に発生するダニは刺されるだけでなく、アレルギーや喘息の原因になるやっかいな存在です。対策や予防のためにも、しっかりと退治して取り除きたいものです。しかし、掃除の仕方が間違っているとダニを完全に取り除けずに、さらに繁殖してしまう事もあります。特に直に座ったり、寝転んだりすることの多い畳のダニ退治の方法について見ていきましょう。
目次
なぜダニが発生する?
家の中で発生するダニは、大きく分けてヒョウダニとツメダニという2種類に分けられます。
ヒョウダニは目に見えないほど小さいダニで、主に動物のフケや垢といった排出物を餌としています。ヒョウダニは布団や毛布などを中心に家の中のいたるところに生息していて、気づかないうちに繁殖している事が多いです。
ツメダニはヒョウダニなど他のダニなどを捕食するタイプのダニで、エサとなるダニを求めて進入してきます。どちらのダニもマダニなどと違って直接人を襲うタイプのダニではありませんが、ツメダニはまれにエサのダニと勘違いして人に咬みつくこともあります。
家の中でダニに刺されたという場合、地方等だとマダニが侵入している場合もありますが、ほとんどの場合はツメダニが原因になります。
ダニに刺されるとどうなる?
ツメダニに刺されると、約5~8時間ほどで咬まれた場所が赤く腫れ始めます。咬まれやすい場所は二の腕や太もも、わき腹等の皮膚の柔らかい場所で、ノミやマダニ等の他のダニと違って露出していない場所に咬み跡がつくことで判別できます。
血を吸うわけではないので、掻きむしらない限り出血することはありません。患部が腫れ始めると共に強烈な痒みが発生し、咬まれた人を悩ませることになります。症状は2日目くらいにピークを迎え、その後は徐々に症状が治まっていきます。
一度咬まれると数日に渡って痒みが続くため、その間に掻きむしるなどして皮膚を傷つけてしまう事で二次的に裂傷を起こしたり、跡が残ってしまったりする場合があります。
掃除機でダニを退治
畳のダニを駆除するために一番手っ取り早いのは、掃除機をかける事です。ただし、ただ漫然と掃除機をかけただけでは全てのダニを取り除くことはできないため、いくつかのポイントを押さえて掃除機をかけることが重要です。
基本的な目安としては、畳1帖あたり30秒程度の時間をかけて入念に掃除機をかけるようにします。畳の目に逆らうと畳を痛めますし、目の間のダニやゴミを取り切れないため、畳の目に沿ってかけるようにするといいでしょう。
また、ダニは暗い場所を好む習性があるので、掃除機をかける前に1時間ほど部屋を暗くしておくと畳の中に隠れているダニをおびき出すことができます。光を嫌う習性を利用して、あえて夜に日が落ちてから掃除機をかけるのもお勧めです。
その他にはこんな方法も
掃除機以外の方法としては、市販の防ダニシートや駆除剤を使う方法があります。ただ、ペットや赤ちゃん等がいて薬剤の影響が心配という場合には布団乾燥機を使う方法があります。
通常、掛布団と敷布団の間に入れて使う布団乾燥機を畳に直置きして上から掛布団を掛けて使う事で、畳の温度を上げてダニを駆除する事ができます。ダニは60度以上で完全に死滅するので、布団乾燥機の高温で一網打尽にしてしまうわけです。
畳を外せるのであれば、天日干ししてしまうのも手です。なお、布団やカーペットのダニ対策としてスチームアイロンを使う方法がありますが、畳でやるとスチームの湿気で逆にダニやチャタテムシ等の害虫を増殖させてしまう場合があるので避けた方がいいでしょう。
掃除頻度の目安
掃除機で吸引できるダニの量には、実は限界があります。というのも、ダニは危険を感じると畳の奥深くに潜ってしまいます。そうなると、掃除機の吸引が届きづらくなってしまうため、完全に駆除するのは難しいのです。
掃除機だけでダニを退治するのであれば、上記のような方法で2度掛けするなどある程度手間をかけて徹底的にやらなければなりません。また、取り残したダニはすぐに繁殖するため、1日2日で完了というのも不可能です。
掃除機は可能な限り毎日かけることをお勧めします。時間と根気は必要ですが、毎日しっかりと掃除機をかけ続ければ、ダニの数も減少していくはずです。また、掃除機は吸引力の大きいものを使用すると多少効果が上がります。
ダニの予防策
ダニが繁殖しないように予防するには、やはり日ごろからの掃除が一番シンプルな方法になります。ヒョウダニのエサとなるフケや垢などを除去してしまえば繁殖できなくなりますし、ヒョウダニの数が減ればそれを餌にするツメダニの数も自然と減っていきます。さらには、アレルギーや喘息の原因となるダニの死骸や糞も取り除けるので一石二鳥と言えます。
また、湿気もダニを繁殖させる原因になるため、畳の水拭きや長時間の加湿器の稼働、畳の部屋での洗濯物の部屋干し等も避けることをおすすめします。また、畳を絨毯やカーペットで覆ってしまうと、間にチリやホコリが溜まりやすく、畳が呼吸できずに湿気も抜けにくくなってしまいます。
剥き出しの状態に比べてダニやカビの発生率が7倍になるというデータもありますので、畳はそのままにしておいた方が良いでしょう。