エアコンからカビの匂いがする、エアコンから出る空気がほこりっぽい、といったことでお困りではないでしょうか。この記事ではエアコンクリーニングのプロのクリーニング方法を参考に、汚れができる原因からそれを取り除く方法について徹底的に聞いてみたいと思います。
今回使用するエアコンは2年ほど掃除していないこちらのエアコンになります。
こちらのエアコンは夏場常に運転させていたとのことでかなり汚れがたまっているようです。
目次
そもそもエアコンの汚れはどのようにたまっていくの?
下図のように、エアコンは上の部分からフィルターを通して暖かい空気を吸い、
熱交換により冷たい空気に変換して、吹き出し口から空気を吹き出します。
エアコンの主な汚れは、この黒いカビと、内部の白いホコリです。
カビ
写真のカビは吹き出し口の奥の方に発生しているものですが、カビはエアコン内部全体に発生しています。なぜエアコンにカビが発生するのでしょうか。
カビは湿気が大好物です。エアコンの内部は暖かい空気と冷たい空気が接するので、フィンで結露が起きます。ちょうど冷たいグラスに水滴がつくように。もちろん排水する機能もありますが、一部残り、湿気の原因になります。カビ菌は湿気と20-35度程度の温度で繁殖しやすく、ホコリを栄養にしてどんどん発生してしまいます。まさに、夏場のエアコンはカビ菌にとって絶好の環境なのです。
カビ菌が繁殖するとエアコンから吹き出される空気に多量のカビ菌が含まれ、夏型過敏性肺炎などの原因にもなります。
咳っぽいということでエアコンクリーニングを頼む方も多いらしく、特にお子さんがいる家庭では注意したいですよね。
羽の部分にもカビがついているようであれば、かなり内部の繁殖が進行しているサインです。ぜひチェックしてみてください。
ホコリ
エアコンの汚れのもう1つは内部のホコリです。
エアコン稼働時は常に空気が通っているので、家の中のホコリがたまっていきますが、
ホコリだけではなく、外気やキッチンの油汚れ、タバコを吸う場合はヤニなども含まれます。
フィルターなど目に見える表面部分はご家庭でも掃除が容易にできますが、送風ファンのホコリを取るのは難しく分解が必須になります。
エアコンの掃除の流れ
それでは、プロが行う掃除の流れを紹介していきます。
分解
ますは、エアコンのカバーを外します。
次に、フィルタを外します。
注意!
ご自身では分解は行わない方が賢明です!カバーの破損や精密機械部分を水に濡らしてしまうことがあるので故障の原因になります。
養生
エアコンの基盤部分に水分がかからないよう、しっかりと養生します。
養生とは、水分が基盤などの機械部分にかからないように保護することです。
プロのエアコンクリーニングは10リットルもの水を使って洗い流すのでしっかりと保護します。排水用にビニールのチューブも取り付けます。
洗浄
続いて洗浄です。プロは高圧洗浄機を使い、専用の洗剤が含まれた水分を吸い上げて洗い流します。
エアコン用の洗剤は、大変危険な強アルカリの洗剤を使いますのでご家庭ではなかなか扱えるものではありません。
エアコン内部はブラシなどでゴシゴシ掃除できるわけではなく、洗剤の力でカビやホコリを落とすので洗浄力が強いものを採用しています。
フィン部分にかけるものはエアコンの排水管から流れていき、吹き出し口付近にかけるものは先ほど取り付けた排水用のビニールから流れていきます。ここで大部分のカビとホコリを洗い流していきます。
洗浄した水をバケツに貯めると真っ黒になっています。これは、すべてカビとホコリです。
エアコンがいかに汚れているかがわかります!
乾燥
洗浄後は目に見える汚れを拭き取り、乾燥させます。暖房なら30分から一時間、送風なら最低一時間程度かけ水分を飛ばしていきます。
この時エアコンから出ている空気からはカビ臭さが無くなっていることが確認できるはずです。
フィルターとエアコンカバーの掃除
フィルターと解体したカバーはお風呂場で洗浄します。
まず、掃除機で表部分から吸い取り大きいホコリを吸い取ります。
次に裏側からシャワーを当てて、目に詰まった細かいホコリを水圧で落とします。
ホコリを取り除いたあとはマジックリンなどの中性洗剤で、フィルターとエアコンカバーについたカビなども除菌していきます。
最後に日陰干しにして乾燥させます。
排水ホースの掃除
エアコンクリーニングでは、普段結露した水を流す排水用のホースを通してホコリを流すので、通り道が詰まってしまう場合があります。
洗浄が終わった後は、こちら詰まりがないかを確認します。エアコンの水漏れはここが詰まっていることが原因である場合が多いようです。
仕上げとコーティング
専用の薬品でコーティングをかけて防カビを行います。
最終的にカバーを取りつけてクリーニングは終了です。
ご家庭でもできるお掃除方法
プロの手順について見ていきましたが、ご家庭でも実施できるお手入れなどについてご紹介していきます。
月一回程度、ご家庭でもできる簡単なお手入れ
フィルターの掃除
定期的にフィルターのホコリを除去することで汚れが溜まりにくくなるので、
こちらは普段のお手入れとして行えると良いでしょう。
ご自宅の掃除機のノズル部分で、ホコリを吸い取ります。ホコリはフィルターの表側に主に付いているので、表側から吸い取ります。
次に、シャワーをあてて水洗いします。シャワーを当てる時は裏側から掃除するのがコツです。逆からにしてしまうとフィルターにホコリを押し込んでしまうことになるので注意してください。
ホコリをより落とそうと、ブラシでゴシゴシしたくなってしまいますが、ブラシなどの利用はフィルターに穴が開いてしまうことがあるので、できるるだけ避けることがおすすめです。
マジックリンなどの中性洗剤のスプレーをまんべんなくかけて除菌し、しばらく放置させたほうがカビの退治にはいいようです。
ルーバー、吹き出し口周りの掃除
吹き出し口は手の届く範囲でホコリを落とします。先程のフィルター掃除でも使用した、マジックリンなどの中性洗剤を使用します。タオルに洗剤をつけて、そのタオルを指に巻いて吹き出し口を拭き、細かいところも綺麗に落としていきます。最後に、水でしぼったタオルで拭いて仕上げてください。取り外しは、それが原因で壊れてしまう機種もあるので、あまりオススメしないとのことです。
風通しを良くする
上にも述べた通り、湿気がカビの繁殖の原因になります。
風通しを良くして湿気を取り除くようにする環境を保つことでカビの繁殖を遅らせることができます。
エアコンがある部屋の換気を怠らない、湿度が高くなる日には除湿機を使って湿度が高くならないようにする、などエアコンの周りの湿度にも気をつけると良いでしょう。
また、送風機能を使用してエアコン内部の湿度を多少低くすることもできますので、送風機能をエアコン使用後に使うこともオススメです。
市販のエアコンスプレーや洗剤でもエアコンの掃除は可能?
ご家庭でエアコン掃除をする際に一般的とされるのが、エアコンスプレーを使用した洗浄です。クリーニングのプロによると、この掃除方法はオススメしない、とのこと。
エアコンスプレーは手が届かない部分に対してアルカリ剤をかけることが可能ですが、分量が少なく洗い流すことが難しくなります。
そうすると洗剤の成分が内部に残ってしまい、放置することでカビの栄養になってしまうことになるようです。
プロのエアコンクリーニングでは水で十分すすぐので成分が残ることもありません。
クリーニングは年に1回が目安
以上のように月1回お手入れすることである程度は綺麗に保つことが可能です。
ただし、カビやホコリの蓄積は防ぎきることが難しいので、徹底的に綺麗にするならば、やはりプロによるクリーニングが必須です。エアコン内部までを含めて徹底的にクリーニングを行うのは、1年に1回程度必要だそうです。
エアコンで咳がでる場合
エアコンで咳がでる原因
いつからかエアコンをつけると喉がイガイガして咳がでるようになった、そんな経験をお持ちの方はいますか?エアコンをつけると咳がでる原因として考えられるのが、夏型過敏性肺炎と言われる病気の症状です。夏型過敏性肺炎とは、エアコンから出る冷暖房の空気にのってカビの胞子が空気中に散乱し、そのカビの胞子を吸い込むことによって発症するものです。もし発症してしまっても、最初は風邪の症状によく似ているため病院で診察してもただの風邪として処置されてしまうことも多く、処方された薬で一時的に治ったように見えてしまうことからなかなか気付かれることがありません。
エアコンをつけると咳や発熱、だるさがでるという方は、まずはそのことをしっかりと病院の先生に伝え、専門の検査をしてもらいましょう。
掃除方法
掃除はエアコンの咳だけのためというより、先程紹介したカビ・ホコリを退治する掃除で問題ありません。長い間掃除していない場合はかなり汚れている可能性が高いので、プロにクリーニングをおまかせするのも良いかもしれませんね。
まとめ
プロのエアコンクリーニング方法とご家庭でもできるお掃除方法をご紹介しました。
カビやホコリを徹底的にきれいにしたい、と思ったらプロの手を借りないと難しいことが分かったと思います。
ご家庭では定期的にホコリ取りやカビが繁殖しないようにお手入れすることで、長持ちさせることができるので、是非お試しになってください。
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