家事の時短アイテムとして、多くの家庭で大活躍している食洗機。毎日使っているという人も多いのではないでしょうか。しかし、毎日使うものこそマメなお手入れが大事です。ふと気付いたら、庫内の汚れがひどいことになっていたという経験はありませんか。そこで、この記事では普段から手軽に行えるクエン酸を使った食洗機のお手入れ方法をご紹介します。
目次
食洗機には汚れがたくさん!
お手入れをしていない食洗機の庫内には、様々な汚れが付着しています。白く粉をふいたようにこびりついている汚れは石鹸カスや水アカです。
石鹸カスは、食器を洗浄した際に残ってしまった洗剤が付着したものです。これを放置しておくと次第にピンク色のヌメリが発生します。これは石鹸カスを主な栄養源としたロドトルラという酵母菌の一種です。ロドトルラは増殖が早く、庫内の水分が加わることで更に増え続ける特性があります。
そして、最も注意したいのが黒カビです。黒カビは残菜フィルターに付着した食べ物のカスやヌメリを放置しておくことで発生しやすくなります。一度カビが生えてしまうと、軽くこすっただけでは落ちにくいのが悩みどころです。食器をキレイにしてくれる食洗機ですが、お手入れを怠ることでこんなにも汚れてしまうことがわかるでしょう。
クエン酸でキレイになるって本当?
食洗機に付着した水アカやヌメリの多くがアルカリ性です。アルカリ性の汚れは酸性の性質を持つクエン酸を使うことでで落としやすくなります。
クエン酸とは、レモンやオレンジなどに含まれる酸味成分で、自然由来のものです。アルカリ性の汚れを分解し、汚れを浮かす働きがあります。食器を洗う場所ですから、このようなナチュラルな成分でキレイに掃除できると安心ですよね。クエン酸の嬉しい効果はその他にもあります。アルカリ性の悪臭を分解・消臭したり、ばい菌の繁殖を抑える効果も期待できるのです。
ナチュラルな成分というだけでなく、科学的にも食洗機の汚れに適した成分と言えます。クエン酸は100円ショップやホームセンターなどで購入できます。買いやすい値段なので、掃除用として常備しておいても便利でしょう。
クエン酸を使った掃除方法
クエン酸を使った掃除は、とても簡単に行えます。まず食洗機の残菜フィルターに残った付着物をあらかじめ除去しておき、洗剤投入口にクエン酸を大さじ3~4杯入れます。あとは食器を洗うのと同じ要領で、標準コースで空洗いするだけです。食洗器に「お手入れコース」があれば、そのモードにして洗いましょう。
空洗いが終了したら次は外せる部品をすべて外します。水200gに対して小さじ1杯程度のクエン酸を加えたクエン酸水をスプレーボトルに入れて、外した部品に吹き付けていきましょう。
気になる汚れをスポンジなどでこすり洗いすることで、更に完璧な仕上がりになります。あとは庫内と部品を乾いたタオルでしっかりと水分を拭き取り、部品を庫内にセットすれば完了です。
クエン酸を使う際の注意点
クエン酸を使った掃除は食洗機にぴったりの掃除方法ですが、いくつか注意点があります。クエン酸は酸性成分のため、相性が良くない素材が存在します。
特に金属が使われている場合は、サビが発生する恐れがあります。使っている食洗機の取り扱い説明書を良く読み、クエン酸が使用できるかどうか確認しておきましょう。メーカーによっては、専用の洗浄剤を推奨していることもあります。
また、クエン酸を使用する場合は決して他の洗剤と混ぜて使わないようにしましょう。特に塩素系漂白剤はクエン酸と混ざることで化学反応を起こし、有毒ガスが発生する恐れがあり危険です。
そして、クエン酸で掃除をした後はしっかりとすすぐということも重要です。すすぎ残しがあることで、クエン酸の分解成分が長時間素材に付着することになります。そうなると、クエン酸の成分が逆に素材を傷めてしまう可能性もありますので、すすぎをしっかり行って残らないように気を付けましょう。
それでも落ちないこびり付き汚れには
黒カビなどの汚れは、クエン酸では落とせない場合があります。黒カビには塩素系漂白剤が効果的です。カビが生えてしまった場所に塩素系漂白剤をかけて、5分程放置します。そのあと、洗剤を入れずにスピードコースで庫内を洗浄しましょう。
ただし、塩素系漂白剤の取り扱いにはくれぐれも注意が必要です。他の洗剤と混ざると有毒ガスが発生する恐れがあるので、必ず単独で使用しなければなりません。また、素手で扱うと手荒れの原因になってしまいます。扱うときはゴム手袋などを使用して、換気をしながら使用しましょう。
それでもなお汚れが落ちないという場合は、プロの業者に依頼した方が確実です。無理に落とそうとすると素材を傷つけてしまう恐れも出てきます。プロのクリーニング業者であれば、汚れの成分を読み取り、適切な掃除方法で食洗機をキレイにしてもらえます。
食洗機の掃除頻度って?
クエン酸での洗浄は月に1度が目安です。汚れが目立つようであれば、それより高い頻度で行いましょう。また、食器を洗浄する際には洗う食器の汚れをあらかじめ落とし、適切な量の食器洗浄洗剤を使うことが大事です。
食洗機を使い終わったら残菜フィルターのゴミを捨て、軽く水洗いする習慣をつけましょう。雑菌の繁殖や嫌なニオイはこれだけでもかなり効果的に防ぐことができます。庫内を濡れたままにしないこともヌメリ防止に効果的です。洗浄が終了したら水気を拭きとり、乾燥させておきましょう。
このように、食洗機は日々のお手入れと定期的な洗浄でキレイな状態をキープできます。汚れが蓄積したまま放置してしまうとなかなか落とせないだけでなく、カビなどが発生してしまう恐れもあります。クエン酸でナチュラルクリーニングを行って、食洗機を長持ちさせましょう。