金属の研磨剤として知られていて人気もあるピカールを使ってみたいと思うけれど、不安な点が多くて困っている人もいるでしょう。どんな金属にも使えるのか、磨き方や使用法に注意点はあるのかなど、いざ使う段階になると悩みも多くなりがちなので使い方の基本を紹介します。三種類あるピカールの商品の違いも合わせて説明するので参考にしてください。
目次
ピカールは細かな研磨剤
ピカールは金属表面をきれいにするのに向いている研磨剤ですが、その特徴として挙げられるのが研磨剤の細かさです。3μm以下の微細な研磨剤が入っていて、金属表面についている錆や汚れなどをきれいに削り落とすことができます。曇ってしまったり錆びついてしまったりしたときにピカールを使って磨いてあげれば美しい金属光沢が蘇るでしょう。
研磨剤なので金属のように丈夫なものに対しては使用できますが、ガラスは傷だらけになってしまうので使えません。
プラスチックも種類によっては汚れは落ちたけれど傷が目立つという状況になってしまうリスクがあるのであまり使用対象としては向いていません。
ピカールを使える金属の種類
ピカールはどんな金属でもきれいにできるのかというとそうではありません。使用しても大丈夫な金属の種類は実は限られているので注意しましょう。
ステンレスやアルミのように日常的によく使われている金属は使用できる場合がほとんどです。真鍮や銅のように錆や汚れが問題になりがちな金属についてもピカールで美しく仕上げることができます。スズや鉄などについても使用可能で、金属そのものであればほとんどに対して使用可能です。
例外的なのは金や銀で、シルバーアクセサリーや金メッキをされたアイテムなどには使用できません。
また、金属そのものではなく表面に塗装やコーティング、あるいは物理的な表面加工をしてあるものもピカールを使うのには適していません。研磨剤が含まれているので塗装やコーティングを落としてしまったり、表面加工に傷をつけてしまったりするリスクがあるからです。身近なものでは例えばテフロンによるコーティングをしてあるフライパンやエンボス加工をしてあるプレートなどには使用できないので注意しましょう。
三種類あるピカールの違い
ピカールを使ってみようと思って調べてみると三つも候補があるのに気づくでしょう。ピカールは液状、クリーム状、練り状の三種類があってそれぞれに特性があります。
最も一般的に用いられているのが液状のピカールで汎用性が高く、金属を磨きたいときならまず選択肢として考えると良いタイプです。液状なので広がりやすいことから、広い範囲の研磨をするときにも適しています。狭い範囲の研磨をする際にも布に染み込ませてからこすれば良いでしょう。
ただ、研磨剤の量が多いわけではないので仕上げに向いていて、大量のサビが発生してしまったときには液状タイプで対応するのは困難です。
クリーム状のピカールはピカールケアーという商品名で販売されています。磨きたい金属に直接塗ってから使うことができるのが特徴で、ピンポイントの頑固な錆を落としたいときにも有効です。あまり広い範囲の研磨には向いていませんが、研磨作用は液状に比べて高いのが魅力でしょう。
練り状のピカールはさらに研磨剤の密度が高く、研磨剤の粒が大きめなのでかなり頑固な錆も落とすことが可能です。粒子が粗い影響で仕上げには向かず、まず練り状のピカールで錆や汚れを落とし、液状のピカールで仕上げをした方が美しい表面になります。
このように液状<クリーム状<練り状という順に研磨力があり、仕上げとしては液状>クリーム状>練り状という順で適しています。
ピカールを使う金属の磨き方と注意点
ピカールを使うのにはそれほど難しいところはないので実践的に試してみましょう。液状のピカールを例に取ると、まず缶をよく振って均一にし、柔らかい布に少量を取ります。そして、きれいにしたい金属の表面に布を当てて汚れがとれるまで磨きましょう。
錆や汚れが落ちたら、別に用意した乾いた布で拭き上げてしまえば終わりです。布で拭くことで浮き出た汚れやサビがきれいになくなるので金属光沢が見えるようになります。
注意点としては磨くときに強くこすらないことで、研磨剤が入っているので優しくなでるようにして繰り返しこすれば磨けます。あまり強くこすると傷ついてしまう可能性があるので気をつけましょう。特に頑固な錆を落としたい場合には力を加えるよりも磨く回数を増やすのが良い方法です。
もう一つ気をつける必要があるのが使用中は十分に換気をすることです。ピカールには石油成分が含まれているので研磨するときに臭いがします。屋外で研磨するか、換気扇などを回して屋内に臭いが充満してしまわないようにしましょう。
ピカールを正しく使って金属表面をきれいにしよう
ピカールは金属そのものを研磨するのに優れていて、メッキや表面加工などをしていない金属には幅広く使用できます。液状のピカールなら布につけて優しく繰り返し磨いてあげるだけで金属光沢がはっきりとした美しい姿にすることができるので簡単です。
使用中は換気をするなど、健康面への影響にも注意しながら有効活用しましょう。