意外と多い砂糖の種類!それぞれの特徴と使い分け

食品に甘味を加えるのに不可欠な調味料が砂糖ですが、ひと口に砂糖と言ってもその種類は様々です。砂糖によって風味は異なる他、最適な使い方も違うのです。砂糖を上手に使い分けるのが料理上手の決め手と言っても過言ではありません。料理を美味しく仕上げるためにも砂糖の種類や特徴、最適な使い方について勉強しましょう。

余計なクセが無く汎用性が高い上白糖

日本で最も広く普及している砂糖が上白糖です。その名前の通り白色なのが特徴ですが、これは光の反射が影響したためであり、本来は無色透明の結晶です。

上白糖は基本的な原料であるショ糖にビスコの別名を持つ転化糖をまぶして作ります。甘味が強くコクがあるのが特徴で、他の砂糖よりも水に溶けやすいことから様々な料理に甘味を付けることができます。

その一方で焦げ付きやすく、低温でも真っ黒に焦げてしまうので焼き菓子には不向きです。上白糖は甘味を添加する以外に食材の芯まで味を沁み込ませる目的でも使われることから煮込み料理には不可欠な調味料ですが、広く普及している国は日本だけであり、他の国ではほとんど作られていません。また、製造の過程でミネラルなどの不純物がほとんど取り除かれています。

水に溶けやすいグラニュー糖はお菓子作りの友

グラニュー糖は純度が非常に高い糖液を原料にした砂糖の一種で、細かい結晶のような形状をしています。

転化糖をほとんど含まないので他の砂糖のような粘り気が無く、さらさらした質感が特徴です。甘味も後味が残らないさっぱりとしたものであり、食材への甘味付けに用いても本来の風味を損なう心配がありません。グラニュー糖は水に溶けやすく、転化糖特有の焦げ付きが生じないことから焼き菓子の甘味付けに最適とされています。

その一方でグラニュー糖は糖類の中でも最もカロリーが高い砂糖であり、さっぱりとした口当たりから過剰に摂取すると肥満や高血圧などの不具合に見舞われるおそれがあります。扱いやすく上品な甘味を楽しめる一方で使い過ぎには注意しなければいけません。

三温糖は濃厚な甘味を堪能するのに最適

三温糖は上白糖やグラニュー糖を分離した際に残った糖液を加熱させて作る砂糖です。加熱の影響により淡い茶色になっていますが、これは糖液を低温で複数回加熱したことでカラメルが形成された結果です。また、何回も加熱する行為が三温糖の名前の由来になっています。

三温糖はカラメルの性質により、非常に濃厚な甘味を感じる特徴があります。少量でも甘味が強いので煮物料理に多用されていますが、三温糖は食材の風味に影響するほどの強いクセがあります。

そのため、使いどころが難しいのが欠点です。また、砂糖の中でも粘り気が強く、素手で触れると水に濡れているかのような感じがするほどです。特有の匂いから害虫による食害に遭いやすく、保管する際は十分に注意する必要があります。

煮込み料理にも使えるザラメ糖は綿菓子作りに不可欠

市場に流通しているザラメ糖は粒が大きい中ザラ糖であり、厳密にはグラニュー糖と同じ括りです。しかしザラメ糖はグラニュー糖よりも甘味が強くコクもある他、水に溶ける際の時間も長い特徴があります。その濃厚な甘味から煮込み料理やお菓子の味付け、更には梅酒などアルコール飲料の甘味料としても使われています。

ザラメ糖は綿菓子の原料としても広く用いられていますが、これはザラメ糖がショ糖以外の不純物をほとんど含んでいないためです。ショ糖の純度が100パーセントに近いザラメ糖だからこそふわふわで後味がすっきりした綿菓子を作ることができます。

他の砂糖では焦げ付きが生じる他、綿菓子特有の質感を出すことはできません。また、グラニュー糖は粒が小さすぎるのでザラメ糖のように綺麗な綿菓子にはならないのです。

ミネラル豊富でクセが強い黒糖

黒糖は黒砂糖とも呼ばれ、原料であるサトウキビの絞り汁を煮詰めて作る砂糖です。他の砂糖のように製造の際に成分を分離する作業は行わないため、黒糖は砂糖の中でミネラルなどの不純物を最も多く含んでいるのが特徴です。

口当たりは濃厚で非常にクセが強いものですが、これは不純物による作用であり、砂糖本来の甘味をもたらす糖分は砂糖の中で最も少なくなっています。この特徴からヘルシーな砂糖として扱われることが多く、料理の味付けやお菓子作りの材料として使われています。

しかし、他の砂糖と同様に摂取し過ぎると肥満や高血圧などの不具合をもたらすので注意しなければいけません。また、他の砂糖とは異なる作り方なので細菌が混在する可能性があります。そのため、体力が少ない乳児には与えないのが無難です。

加工済みの砂糖は工夫次第で便利に使える

砂糖の中には角砂糖や氷砂糖、ブラウンシュガーなど特定の目的のために加工された物があります。これらは飲み物への味付けなど用途が限定されていますが、指定された目的以外にも使えるので、工夫次第では非常に便利です。中にはでんぷんやはちみつなどの添加物を混ぜている物もあるので、砂糖の代用品としてそのまま使うのは簡単ではありません。

しかし、煮物やお菓子の味付けに使えば砂糖とはひと味違う、個性的な風味を持たせることが可能です。加工済みの砂糖は小分けにされている物が多いので分量を量る手間が省ける利点がありますが、湿気を吸いやすく害虫の食害にも遭いやすいので保管の際は十分に注意しなければいけません。

加工済みの砂糖はその多くがグラニュー糖や上白糖を原料にしていますが、これは水に溶けやすく加工がしやすいのが理由です。また、クセの無いさっぱりとした甘味なので、食材の風味を損なわずに添加できるのも加工用の原料に適した特徴になっています。

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