家事や仕事が終わって気が付けばもうこんな時間。早く夕飯のメニューを決めたいけれど、なかなか決まらないなんて悩むことはないでしょうか。また、忙しい毎日の中でメニューのマンネリ化に悩むこともあるかもしれません。今回は困った時に使えるメニューの決め方の基本と、応用の利くレシピ、作り置きのコツをご紹介します。
目次
晩ご飯は何にしよう?
1日の中での夕食の位置づけ、を意識されたことはあるでしょうか。実は夕食というのは、健康を保つ上ではあまりカロリーを必要としない食事といわれます。多くの方にとって夕食は、睡眠をとる前の最後の食事ですから、あまりにもカロリーや糖質をとりすぎると、肥満の元になりかねません。カロリーや糖質を落とすためには、衣をつけた揚げ物や麺類を避ける、と覚えましょう。揚げ物を出したいときには素揚げにする、衣を極力少なくするのがポイントです。
市販では不足がちな栄養素とは?
逆に積極的にとりたいのは、タンパク質と繊維、ビタミン類。昼食に外食や学食、市販の弁当をとる機会が多い場合、特に不足しやすい栄養素ですので、積極的に夕食に取り入れましょう。揚げ調理をしない肉や魚、豆腐、卵や緑黄色野菜がおすすめです。夕食なににしよう?と悩んだら、まずはこの避けたほうがいいものと、取り入れたいもの、を思い出してください。
まずはメインを考えよう
いよいよ具体的にメニューを考える段階になったら、まずはメインを決めてしまいましょう。この方法のメリットは2つあります。まず、全てを一度に考えるよりも、順序立てて考えやすいこと。たとえばメインを「豚の生姜焼き」と決めれば、副菜に「筑前煮」と思いついた時に、醤油味のものが重なると気づきやすくなります。筑前煮に入るニンジンを使ってキャロットラペにすれば、酢の味がメインの副菜になりますから、献立の中で味に広がりを持たせることができるのです。
栄養のバランスがとりやすい
もう1つのメリットは、栄養のバランスがとりやすくなること。豚の生姜焼きにキャベツを添えれば淡色野菜は補えるものの、緑黄色野菜はありません。しかし、副菜でキャロットラペを補えば緑黄色野菜の代表格がとれる、というようにこれに足りないものは何か、という視点でメニューを組み立てられるのです。一見難しく見えますが、メインに肉が多ければ野菜の副菜を足す、メインがお豆腐や野菜ならば、ひき肉や魚のフレークを足すといった具合に、全体で野菜と肉がとれるように考えればOKです。
余裕のない日は一汁一菜でOK!
できる時には栄養バランスも考えるけれど、忙しくて全く余裕がない日には、一汁一菜でも構わない。そう考えるとメニュー作りにも余裕が持ちやすいでしょう。ここで、余裕のない日に作りやすいメニューを少しご紹介します。
レンジ蒸ししゃぶ
まずメインになるものとして「レンジ蒸ししゃぶ」。カット野菜やもやしをレンジ対応の器に入れ、牛か豚の薄切り肉を載せて小さじ1杯程度の水を入れたら、ふたかラップをして加熱します。ゴマダレやポン酢で食べるのが定番ですが、蒸す際、水の代わりに味噌と砂糖と酒を混ぜた調味料を載せれば味噌煮風になります。
レンジで簡単肉豆腐
もう1つ、豆腐とお肉ときのこを器に入れ、2~3センチ具が浸る程度に好みの味に薄めためんつゆを入れてレンジで加熱すれば、肉豆腐に。ねぎを入れてもいいでしょう。
あおさのりの味噌汁
汁物のおすすめは「あおさのりのお味噌汁」。具のないお味噌汁を作って器に盛り、乾燥したあおさのりを入れれば完成です。カットした水菜や三つ葉を器に盛り、具のないお吸い物を注ぐ、葉っぱのお吸い物も比較的簡単に作れます。
色でメニューを決める
色は、食事の栄養バランスを整えるのにおすすめの考え方です。肉や魚の「赤」、卵や大豆製品の「黄」、野菜の「緑」、きのこや海藻の「黒」と主食の「白」の5色が食卓に揃うように考えると、彩りも栄養バランスもとりやすくなります。また、見た目の色で揃えればいいので覚えやすいというメリットもあります。この方法は、メインを先に決めるというメニューの組み立て方と併用して使えばメニューがさらに考えやすくなるでしょう。
色で決めるとは?
豚の生姜焼きにキャロットラペという先の例をとって、色を補ってみましょう。お味噌汁があれば「黄」は補えます。そこにたっぷりのキノコを入れれば「黒」が、主食のご飯で「白」が補えます。どれも身近にあるメニューですが、色を意識して考えれば栄養のバランスもとりやすくなるのです。
一汁一菜の時でも、たとえば卵とじに干しシイタケとにんじん、玉ねぎといんげんを入れれば5色、揃えられます。いんげんなど冷凍で気軽に入手できるものをストックしておくと、一汁一菜でもバランスがとりやすくなるでしょう。
副菜は作り置きしておこう
余裕がある時に副菜を作り置きしておけば、何か足りないと思った時すぐに補えます。またメニューを考える時、副菜を考える手間を短縮することができます。副菜を作り置きするときに気を付けたいポイントは2つ。これを抑えていれば、余裕のあるメニュー作りや夕食づくりができるでしょう。
1つ目のポイント
まず1つ目は、水気の少ないものを保存するということ。同じ煮物であれば、汁気がたっぷり残りやすいかぼちゃの煮物より、きゃらぶきやきんぴらのようにしっかりと煮詰めたものがおすすめです。1からだしを取って料理する機会のある方ならば、だしがらのこんぶや鰹節を乾煎りして醤油、砂糖、酒を入れてしっかりと水気を飛ばしたふりかけもおすすめです。
2つ目のポイント
2つ目は、水気のあるものを作りたいならば殺菌作用があるといわれる酢を活用すること。調味済みの甘酢やピクルス用の酢に、にんじんやれんこんなど硬めにゆでてしっかり水気を切った根菜を漬けてみてはいかがでしょうか。
夕食で悩むのはもうやめよう!
夕食は家族が顔を揃えられる唯一の食卓という方も少なくないかもしれません。また、家族がいれば別だけれど自分1人ならばこの程度で、と昼食はあまり料理はしないという方もみえるでしょう。そんな状況であればあるほど、夕食は充実させたいと思うゆえに夕食が悩みの種、になってしまうのはちょっと残念ですよね。できれば、軽やかな気持ちで夕食を考えて軽やかに作って、笑顔で食べられるのが理想。そう思うのであれば夕食で悩むのはもうやめよう!とまずはご自分に宣言してみてください。
読み返しながら実践しよう
そのうえで、今回お話しした手順を1つずつ実践してみましょう。最初は、一段階ずつ読みながらでいいのです。そのうち体にしみこめば、これとこれがあったから、これを作ろう!などとすぐに思いつけるようになるはずです。そうなればしめたもの。きっと、オリジナルレシピも増えて、夕食を楽しめるようになるのではないでしょうか。