専業主婦が多かった時代は、家にいる女性の方が家事や育児を行っていましたが、最近は共働きの家庭が多くなり、妻も仕事をしたうえに家事や育児も妻が行うということが困難になったため、夫と妻で家事を分担する家庭も多くなりました。家事には大まかに分けて料理や洗濯、掃除などがあり、細かく分ければもっとたくさんの作業がありますが、それらの家事を夫婦でうまく分担するためにはどのようにすればよいのでしょうか。
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家事や育児には細かい作業があることを知ってもらうこと
昔と違って、現在では電子レンジや炊飯器、洗濯機、掃除機など家事を簡単にする家電がたくさんありますが、それでも人の手で行わなければいけないことがたくさんあります。たとえば炊飯器でご飯を炊くにしても、必要分のお米を量って研ぐという作業が必要です。
おかずを作るにしても材料の買い出しから始まり、献立を考える作業、材料を切る作業、調理、盛り付け、食器洗い、食器の片づけなど細かく分ければたくさんの作業があるのです。これらの細かい作業はいつも「食べるだけ」しかしてこなかった夫にはわかりづらい作業です。そのため家事を分担する前に、どのような細かい作業があるかをまず書き出してみて、夫にわかってもらうことが大切なのです。
育児においても、普段は仕事で帰宅時間が遅い夫の場合は、子どもの寝顔しか見ず、仕事から帰ってきた妻が、子供を寝かせるまでの間どれだけのことをしているのか知らない夫もいることでしょう。そこで家事だけでなく育児においても、どれだけの作業があるのかを夫に知ってもらうことが重要になります。
家事や育児の作業を知ってもらうためにすること
家事や育児を分担するために重要なのは、夫にどのような作業があるかを事細かく知ってもらうことですが、その為には紙に書き出してみることです。料理や掃除など家事ごとに書いても、朝起きてから夜寝るまでのスケジュールごとに書いても良いので、わかりやすい方法で書き出してみましょう。書き出したものを見ることで妻がどれだけたくさんの作業を毎日行っているかということを理解してもらいます。
外で働いていることは夫婦ともに変わらないので、それ以上の家事や育児で、妻が夫よりもずっと忙しいということをわかってもらえれば、分担しようという気持ちになってくれる可能性があります。
ただ夫に作業の膨大さと仕事との両立の大変さを知ってもらう際には、書き出したものをひとつずつ簡潔に丁寧に説明していくことも大切なポイントです。ただ「見ておいて」と言って渡すだけよりも効果的です。
夫にできる作業を選んでもらうこと
大まかにでも作業について理解をしてもらえたら、夫に「自分でもできる」作業を選んでもらいます。簡単な作業でもしてもらえれば妻は助かります。夫でも続けられそうなことや、時間的にできることを選んでもらいます。
初めはゴミ出しとお風呂掃除だけでも良いのですそれだけでも夫の仕事として毎回行ってもらえれば、妻の忙しさもずいぶん変わってくるものです。だから仕事の数は少なくても確実に毎回できるものを選んでもらうようにしましょう。
夫に仕事を選んでもらったら、次はその作業について詳しく説明をしておきます。ゴミ出しなら、分別したごみ回収のそれぞれの曜日と出し方についてしっかりと知ってもらうことです。
知らなくて間違った場合、収集業者に持っていってもらえなかったごみ袋を再度持ち帰らなければいけないという「二度手間」になる可能性があるからです。また知らなかったことから生じる失敗によって「もうやりたくない」という気持ちになることもあるからです。
こだわりと融通のきく分担の仕方
洗濯の仕方や干し方、料理のメニューなどによってはこだわりを持つことがあります。
妻が今までしてきた作業を夫がすることで、妻がやり直さないと気が済まないというような作業は、こだわりの強い方の妻がそのまま続けたり、鍋にこだわる夫の場合、夕食のメニューが鍋の時には夫がするなど、作業や内容によって分担を決めたり変えたりすることも必要です。こだわりが強い方が作業を行うことで、やり直したりイライラしたりすることもなく家事がスムーズにはかどるからです。
育児に関しても、日によってはどうしても「ママしか嫌」ということもあるでしょう。たとえば子どもの歯磨きを夫の作業と決めても、いつまでも子どもが嫌がってしない場合は妻と作業を交代するなど、臨機応変に融通を利かせることも大切です。
相手の作業に感謝して褒めて、できることを増やしてもらうこと
夫と決めた家事分担を夫が快く行ってくれた時には、「ありがとう助かったわ」「さすがパパね」「これからもよろしくね」などと感謝の言葉や誉め言葉を言うことで、夫はどんどんやる気を出していってくれます。すると初めは簡単な作業しかしなかった夫も苦手で複雑な作業もやってみようという気持ちになる可能性があります。
育児において子どものおむつを交換するという作業ができても、うんちの時はできないという夫も少なくありません。そんなときもやり方を教えて、いやいやでもやってもらい、できた時には大いに褒めて感謝をすれば次回からはうんちのおむつも変えてもらえることが期待できます。このようにしてできる作業をどんどん増やしてもらうようにしましょう。
手伝うのではなく「分担」をするということ
家事や育児をするのは妻だけに限らず、夫が行うという家庭もあります。共働きでも妻の方が仕事の時間が長かったり重要なポストにある場合は夫の方が主夫をするということもあるでしょう。
しかし、いずれにしてもお互いに仕事を持っているので、家事や育児をどちらか一方に委ねることは、任されている方は疲れが溜まっていつか爆発してしまう可能性があるのです。家事や育児はどれだけの作業があって、それぞれの作業にどれだけ時間と手間をかけているのかということを夫婦二人とも知り、分担して助け合うことが大切です。
分担は「手伝う」のではなく、1つの作業をまるまる自分で行うことです。手伝うという気持ちならいつまでたっても「サブ」でしかないので、できない時は仕方がないということになります。時と場合によって作業を変えたり代わったりすることも重要ですが、まずは決めた作業を毎日自分がするという気持ちをお互いに持つことが大切です。
そしてお互いが思いやりを持って相手に感謝の気持ちを持つことが大切なのです。