最近は夫婦ともに働いているという「共働き」という家庭は珍しくありません。結婚すれば一生専業主婦・主夫になるということも今では非常に珍しい存在となりました。
男女共同参画白書平成30年の調べでは、共働きは昭和55年以降から増え続け平成9年には専業主婦がいる世帯を共働きの世帯が上回りました。今では「男性が働き女性は家を守るべき」という考えに反対する人が増えていることも共働きが増えている理由です。
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結婚した後も働く事は当たり前になった
結婚をしても子供を産んでも働くという女性は今では多くなってきました。2019年のワタベウェディングの調べでは妻が働いていると答えた男性92.5%になっています。そしてその中で62.8%が正社員であることがわかっています。さらに妻にも働き続けてほしいという男性は71.5%いました。
かつては結婚すれば女性は家庭に入り家事や子育てに専念するということが当たり前という意識は薄れてきています。
正社員ではなくともパートやアルバイトをしている女性も多く、その理由としては様々ではありますが家計の足しにするためという理由が多いです。また自分がやりたいことを実現させるためという答えもあります。
そして現在ではどちらかの収入だけで生活するのは困難だというのも理由にあがっています。
専業主婦・主夫であることの罪悪感
「専業主婦・主夫は家事と育児だけで気楽でいいと思われている」や「社会に出ていないことに罪悪感を感じる」といった気持ちになり、とりあえず働くという人も近年では多く見られます。
この「罪悪感がある」というのは子供がいる、いないでも差がみられ人材サービス『しゅふJOB』の2018年のアンケート調査によれば子供がいる場合で23.3%、子供がいない場合で36.8%になっています。
理由としては、子供がいる場合では「子供がいても働いている人を見て素敵だと思ったから」「健康なのにどうして働かないのかと陰で言われていたから」「何かを購入するときに配偶者に報告しなければ後ろめたく思ってしまうから」と言った意見が見られます。
そして子供がいない場合では「なんの存在意義もないと感じる」「片方にばかり経済的な負担を強いている」などの意見があります。
罪悪感に耐えるよりも働いたほうが気が楽、そして自由に使えるお金ができるといった考えから共働きの夫婦は増えているともいえます。
共働きのメリット
共働きの最大のメリットは世帯収入が増えることです。そしてどちらかが病気や事故で働けなくなったとしても無収入となることはありません。その安心感も大きなメリットの一つです。
世帯収入が増えることはすぐに想像できますが、最近ではライフワークバランスという言葉もよく耳にします。仕事だけ、家庭だけになると自由な時間との折り合いをつけることが難しいです。仕事とプライベートとのバランスをとることで精神的にも楽に思う人が増えています。
また自分で自由に使えるお金があることで「どう有意義に休日を過ごすか」「日頃頑張って働いている自分へどうお金を使うか」などと言った楽しみが増えます。子供がいる家庭では「習い事を思う存分させることができる」といったメリットもあります。
共働きのデメリット
共働きのデメリットとしては家事との両立の難しさがあげられ、子供がいれば育児も加わってきます。
2015年のマイナビニュースの調べでは「余裕がなくなる」といった仕事をしていることによって時間のやりくりが難しく、お互いに精神的にも時間的にも余裕がなくなっていくという意見が見られます。また仕事が忙しくなるにつれて「すれ違いが多くなる」「家事の分担がどちらかに偏る」といった意見があげられています。
子供がいる家庭では「子供にさみしい思いをさせている」「子供をカギっ子にしてしまった」といった専業主婦・主夫のときにはない罪悪感を持っている人もいます。また他の意見では世帯収入が多くなった分気持ちが大きくなり「金銭的にルーズになってしまった」という意見もあり、貯金がうまくいかないということもあります。
共働き夫婦がしている家事の分担の割合と家事の時短について
市場調査メディアホノテの2018年の調査によれば家事分担では妻がほとんどしているが27%、夫が少し分担しているが38%になっています。妻がメインで家事をしているという家庭が多いです。そして両方で分担している家庭は31%になっています。
どちらかに家事の負担がいきすぎるとストレスになる可能性があります。そこで家事の時短が必須になってきます。
SUUMOジャーナルの調べによれば子供を持つ300人に調査をしたところ、家事の負担を減らすために食事はスーパーなどの総菜を買うという意見や掃除や洗い物は家電に頼っているという意見があります。また掃除は週末だけにするといったメリハリをつけている人もいます。
他の工夫では余裕があるときにおかずをつくり冷凍しておく、次の日の朝も食べられるように夜ご飯を多めに作る、掃除をする場所は曜日を決めている(月曜日は脱衣所、火曜日はトイレなど)、洗濯物はハンガーにかけたままの状態でクローゼットに入れるなど、家事をがんばりすぎないようにした工夫をしている人もいます。
専業主婦・主夫から共働きになったときの育児について
共働きになると「子育てをしていると残業ができないから仕事が終わらない。他の人に迷惑がかかる」「仕事が終わってからの育児が負担に思うようになった」と言った悩みが出てくることもあります。
そういった時の対策としてはまず「ひとりで抱え込まないこと」がとても重要になってきます。どちらかの帰りが遅いと仕事で疲れていてもワンオペ育児状態になり体力的にも精神的にも負担に思う人は多いです。そうならないためにも一人ですべてを抱えこむのではなく、まずは夫婦お互いに相談しあうことが必要です。
また仕事中の「病気やケガをしたときどちらが迎えにいくか」「習い事のお迎えはどうするか」などと言ったことをあらかじめ話しておくことも仕事と育児を両立させるには必要です。また24時間子供と向き合うのではなく「毎日10分だけ全力で子供と向き合う」ということを実践している人もいます。そうすることで親子の時間も保つことができ、仕事も円滑に進めることができます。