平成25年12月に、「日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。日本人の伝統的な食文化である和食を見直す動きが高まっています。和食の基本と言えば「まごわやさしい」ですが、いったいどういうことでしょうか。食材は何を使っているのか、「まごわやさしい」食材を取り入れた料理の作り方など、詳しく紹介します。
目次
「まごわやさしい」とはどのような食材か
和食の基本とも言われている「まごわやさしい」は、古くから日本国内で収穫できる食材の頭文字を組み合わせた造語です。
豆の「ま」、ごまの「ご」、わかめ(海藻類)の「わ」、野菜類の「や」、魚の「さ」、しいたけ(キノコ類)の「し」、芋類の「い」が使われています。
7つの食材を上手に組み合わせて調理すれば、栄養バランスがよくなるだけでなく、自然で身体に優しい献立を作れます。旬の食材を選ぶことも大切なポイントで、季節の食材は栄養素を多く含んでいるため、積極的に摂ることが大切です。
ただし、7つの食材を全て使って献立を作るのは難しく、全ての食材を使ったとしても品数が多くなり、逆に食べ過ぎのリスクを引き起こしてしまうため注意しておきましょう。
「まごわやさしい」の献立をどう考えるか
献立の考え方の基本は、「一汁三菜」です。
主食と汁物、主菜一品に副菜二品を準備します。献立は、主菜から決めるのがポイントで、主菜が決まれば、そのおかずに見合った汁物と取り合わせる副菜二品が決まります。
主菜にはたんぱく質の食材を選びますが、魚や大豆、卵などが当てはまります。二品の副菜は、きのこや野菜、芋類や海藻類を使うようにします。
主菜の中に、たっぷりの野菜サラダなどを盛り付けた場合は、盛り付けた部分を一つの副菜とカウントしても問題はありません。
汁物と主菜、副菜の二品はできるだけ味付けがかぶらないように工夫します。主菜を味噌風味にした場合は、汁物を醤油味にし、副菜は酢の物とマヨネーズ和えにすれば味付けにも変化が加わります。
まごわやさしい料理レシピ:青魚のごま竜田焼き
「青魚のごま竜田焼き」は、青魚としてアジやサバなど、いろいろな魚が活用でき、ごまを付けて焼くことで香ばしく仕上がります。
下ごしらえを除いた調理時間も15分程度と時間をかけずに調理ができるため、ごまと青魚を効率よく摂りたい人におすすめです。
あらかじめ青魚に塩を振っておき、出てきた水気をふき取っておくことが重要なポイントです。水気を取った青魚を三枚におろしたあと、だし醤油とにんにく、溶き卵を混ぜたボウルに加え、30分以上なじませます。
片栗粉を加えてよく混ぜた後、パットを使ってごまをまぶし、油を熱したフライパンでこんがりと焼き上げます。皮の方から焼くと、形が整った状態を維持しながら綺麗に盛り付けが可能です。
まごわやさしい料理レシピ:きのことひじきの炊き込みご飯
「きのことひじきの炊き込みご飯」は、海藻類の一種であるひじき、野菜のにんじん、お好みのきのこ、油揚げを使った料理です。
料理の食材に取り入れるのが難しいと言われている海藻類ときのこ類を使っており、炊き込むことで具材をたっぷりと使うことができます。
炊飯器でも作れるため、手間がかからずに多くの栄養素を摂取することが可能です。コクを出すための一工夫として、炊き込む前に具材を炒めるのがポイントで、油揚げやきのこから旨味成分がご飯とよく絡み合います。
ごま油できのことにんじんを炒め、ひじきと油揚げ、醤油とみりんを加えてさらに炒めます。炊飯器には通常の目盛りよりやや控えめに水を入れ、昆布を入れてセットすれば完成です。
まごわやさしい料理レシピ:なめこと海苔佃煮のみそ汁
「なめこと海苔佃煮のみそ汁」は、豆類の豆腐、海藻類の海苔、きのこ類のなめこを使った料理です。豆腐はあらかじめ一口サイズに切っておき、並行してだし汁を取っておきます。
だし汁が沸騰する手前で豆腐となめこを加えて一煮立ちさせた後、豆腐が温まってきた頃合いで弱火にし、海苔の佃煮と味噌を加えて味を整えます。
器に盛り付けが完了したら、お好みで適量の万能ねぎを加えると、味噌の味付けに風味のアクセントが加わります。
だし汁は、かつおだしや煮干しだし、昆布だしなどお好みに合わせて選ぶようにしましょう。豆腐がない場合は、代わりに油揚げやわかめなどを加えても美味しく料理できます。みそ汁には、「まごわやさしい」食材がよく合うので覚えておきましょう。
まごわやさしい料理レシピ:大豆とポテトのツナマリネ
「大豆とポテトのツナマリネ」は、大豆の水煮、紫玉ねぎ、大葉、ツナ、じゃがいもを使った料理です。
大豆やじゃがいもを使うと甘めのおかずになるメニューが多い中、オリーブオイルを使うことでさっぱりとした味わいを楽しめます。
紫玉ねぎはみじん切りにした後、水にさらしておき、水気をしっかりと取っておきます。
皮をむいたじゃがいもを角切りにし、鍋に入れて水をひたひたになるまで加えます。
鍋にふたをして火にかけ、沸騰したら弱火で5分程度煮たら、一度お湯を捨てて再度火にかけましょう。
こふき芋を作るような感覚で鍋をゆすりながら水分を飛ばした後、ツナ缶を汁ごと混ぜてよくかき混ぜます。ツナとじゃがいもを混ぜ終えたら、大豆の水煮と水気を取った紫玉ねぎ、みじん切りにした大葉とオリーブオイルを加え、塩やこしょうで味を整えれば完成です。